岡田さんらしい「悪人」がいなさそうなドラマだなーという印象の初回でしたが(光石さんと和久井さんの間で不安になる会話が交わされていたけれど、この先そういう“悪意”が顔を出すことはあってもそれ自体を描くことはないだろうと)、「新しい日常」の描写が中途半端であることが気になる。
マスク騒動や主人公の友人との会話からして現実と同じようにコロナ禍にある世界だとみていいだろうに、久々に職場の仲間で居酒屋に行くのはいいとしても行くまでの道中ノーマスクであることが。居酒屋では微妙に席を離して座ってるっぽいのに写真撮るときは密状態だし。それを言うなら接客業なのに仕事中マスクしてないのもそうだし、なにより弁当屋がノーマスクでべらべら喋りながら弁当作ってるとかありえないでしょってことになる。
他人との付き合い方が難しくなってしまった世の中で、家族のために頑張る姉ちゃんが心に傷を持つ人と出会って恋をして、その先に孤独を感じているひとにも寄り添えるクリスマスがあるという設定、テーマというか描こうとしているであろうもの、岡田さんらしいきっとほんわりあったかいドラマになるのだろうと、それ自体は楽しく見られそうだと思うんだけど、中途半端に現実要素を入れられると気になっちゃうんだよね。
別にマスクしろって言ってるわけじゃなくって(ドラマはドラマだと思ってるし)、このドラマのなかではコロナは収まりマスクをしなくても大丈夫になったってことならそれで構わないんだけど、そういうことなら例年通りクリスマスを大々的に盛り上げることに許可などいらないだろうに(むしろ反動とばかりによりド派手にしたくなりそうなもんだろう)そこはまだコロナの影響下にあるっぽい描写だったりするわけで、そこいらへんどういうつもりで作ってるのかってことが気になるんだよ。「新しい日常」というわりには“久々の”飲み会に“久々の”親友との会話(コンビニの前でアイス食べてるアラサー女二人組とかわたしの生活圏では見たことないんですけど・・・)以降は別段コロナ前と変わったようには見えなかったもの。
その状況説明、設定説明を台詞等でして欲しいと言ってるわけでもないんだけど、コロナという要素をどの程度取り入れて作っているのか、どの程度だと踏まえて見ればいいのか、その判断が難しいなとは思う。
あとこれは完全にわたしに問題があるんだけど、姉ちゃんの弟役でジャニーズの子が出ていることもあってか有村ちゃん演じる「姉ちゃん」にエイトのヨコヤマさんを重ねてしまってウルっとくる瞬間があって戸惑います。どうかこの先姉ちゃんが傷つくようなことになりませんように。わたしのメンタル的にも頼む。