背中にでっかい魚背負って海から上がってきて、その場でぶつ切りにして庶民に売って小金を稼ぐ信長を見て、十兵衛はどう思ったのだろうか。「奇妙な男」だとは言ってたものの、帰蝶の嫁入り=国を守る目的云々は置いておいて、織田信長という男について十兵衛の「初対面の感想」がもうちょっと知りたいところではある。
でも「帰蝶の気持ち」であり「帰蝶に対する気持ち」よりも母のアドバイスもあってか「国を守る(豊かにする)」ことを最優先として判断した十兵衛が、ウダウダと対他人・対自分共に言い訳のようなことをしなかったのはとてもよかったと思う。
そして十兵衛に「尾張に行け」と明言させ、「十兵衛が言うならば是非もなかろう」と人質として尾張に行きうつけと呼ばれる男の嫁になることを受け入れる帰蝶もまた最高にカッコよかった(輿入れの日に信長の姿が見えないと報告され不敵に笑う帰蝶様も素敵!)。
(そんな二人の間にある感情を「大好きなんですね」などと言う陳腐な言葉にしちゃう駒にはイラっとしたわー。十兵衛の“本心”を視聴者に対して伝えるための会話だとしても、それを言葉にするのは野暮だろうよとわたしは思う)
(とは言え、帰蝶が稲葉山に帰る後ろ姿のあと、なにやら書物をガサゴソしてる十兵衛のカットは尾張についてなんか調べようとしてんのかな?とか思ったんですけどね。まさか「気にしてないフリ」をしてたとはわからなかったんで、そんなわたしのための説明なんですよね・・・)
(あとまあ、駒の気持ちガン無視で「そうやも知れぬ」とか言っちゃう鈍感十兵衛がこれからどんな感じの煕子ラブになるんだ!?という興味は生まれましたが)
ゆえに義龍の愚かさというか、考えの古さというか物の見方の浅さというか、そういったものが露呈してしまった印象が強いなぁ。まあまだ「若い」ってことなんだろうけど、演じてるのが伊藤英明なんで若さよりもバカさに思えてしまうというか(十兵衛を呼び出すのが完全に校舎裏に呼び出すヤツでしかなかったw)。気持ちはわからんでもないんだけどさ。
というか、「操り人形」扱いされてたはずの頼芸が思った以上に空気の読める腹黒のようで、尾美としのり大好物のわたしとしてはウッハウハ。
そんでもってウッハウハといえば帰蝶が嫁に行くことを了承したと聞いたハイテンション利政な(笑)。「娘の気持ちを思うと俺だって胸が張り裂けそうに辛い」的なことを言ってたくせに、いざ同盟が決まるとなったら超ハイテンションで喜びまくりってお前(笑)。この調子だと会談すべくやってくる信長をコッソリ見るときどんな感じになるのか楽しみすぎんだけどw。
信長とともに今回初台詞となった義元は文句なしにソレっぽく、雪斎とセットでばりばりの武闘派感でいいわいいわー!。
片岡愛之助の義元と伊吹吾郎の雪斎と、今年はここか!な浅利陽介の広忠(かざぽん家康の父上っぽいww)が三人で映ると画面が一気に「大河感」。
目が合った十兵衛のことをほんのわずかな時間とはいえじっとりと見た信長は「お前は買わないのか?」と話しかけた男が「ただの村人・町人」だとは思ってない、なんなら侍であろうと見抜いてるのでしょうが、信長でなくとも十兵衛が「ただの村人・町人」じゃないってわかりますよね。だって人垣の後ろでのぞき込んでるときスタイル良すぎてあからさまに浮いてたしw、話かけられての反応が十兵衛らしからぬ不審っぷりだったもん。
つまり信長にとっても「このときに出会った男」の印象はしっかりと残る、ということになるのだろう。「お前あの時儂の魚を買わなかったな?」なんつっていびられることになるのかなー(ワクワクw)。