中山 七里『闘う君の唄を』『騒がしい楽園』

闘う君の唄を (朝日文庫)

闘う君の唄を (朝日文庫)

  • 作者:中山七里
  • 発売日: 2018/08/07
  • メディア: 文庫
騒がしい楽園

騒がしい楽園

宗教法人を母体に持つ幼稚園を舞台に日々あらゆるものと闘う幼稚園教諭たちの物語です。

1作目の「闘う君を~」はかなりハードな背景を持つ新人教諭が主人公であり、”私の新たな闘いはここから始まる“的な終わり方なのでてっきりこの人物がシリーズ主人公だと思っていたのですが、2作目の「騒がしい~」では1作目の“事件”を受けて系列の幼稚園への配置換えを経て1作目では主人公の同僚であった人物が主人公となるので、バトン方式で主人公が変わるスタイルのシリーズなのかな?。

1作目は主に「保護者会」との関係性、2作目は騒音問題や親同士の争いといった問題が描かれ、それ自体は私には全く縁のない話とはいえ(だからこそかも)大変だなぁ・・・などと思いつつ読み物として楽しめるのですが、1.2作目とも結局「殺人事件」の話になるんですよ。それも被害者が園児の。
1作目は主人公の背景でありなぜ幼稚園教諭になったかを描くために必要な展開・要素だと思えたのでそういうものとして読み流せたのですが、2作目でも子供が殺される話になってしまったのには辟易してしまった。この先もシリーズが続くのだとして、毎回こういう話になるのはキツイかなぁ・・・。幼稚園のスタッフが主人公という縛りがあるならば、事件に園児が関わらなければ主人公が巻き込まれる謂れがないもんね。どうしたもんかな。


それはさておき。「騒がしい~」の帯に「中山七里デビュー10周年 12ヵ月連続刊行企画第1弾!」とありまして、マジかよ・・・・・・となりました。通常時でもハイペースなのにこのうえ12ヵ月連続とかどんだけストックあんだよ・・・・・・。