古野 まほろ『時を壊した彼女 7月7日は7度ある』

時を壊した彼女 7月7日は7度ある

時を壊した彼女 7月7日は7度ある

高校の吹奏楽部の同期が7月7日の夜に校舎の屋上で七夕祭りをしてたら突如起きた爆発に巻き込まれて部長が死ぬ。爆発の原因はタイムマシンの爆発で、乗っていたのは二人の女子高生。双方の話し合いの結果「部長の死」をなかったことにすべく未来の技術を使い「7月7日」をやり直そうとするが、どうやっても部長の死を回避できないどころか7月7日をやり直すたびに犠牲者が増えてしまう。

という物語で、最初の四分の一ぐらいが「過去に戻る」ことに伴う設定説明と全員の合意を得ることに費やされるわけですが、必要とわかっていてもここがキツイ。5度ほど読むのをやめたくなりました。
で、這う這うの体でそこを通り抜け、ようやっとタイムリープのターンに突入したらどうあがいてもダメなのが7回も繰り返されるのでこれまたキツイ。
途中で教師による大虐殺が始まったときはここから怒涛のトンデモ展開が次々と起こるのね!とテンション上がったものの、それはその回だけで(それは謎解きにおける重要な意味を持つものだったけど)なまじトンデモきたー!となったぶんそのあとはキツさ倍増。
で、7回それぞれの「失敗の原因」を探るところはそこまで耐えてきた反動かなるほどなるほどとうなづきながら読めたけど、読み終わってみれば「愛憎のもつれ」でしかなく、ていうか彦星と織姫の物語でした・・・。