白井 智之『そして誰も死ななかった』

そして誰も死ななかった

そして誰も死ななかった

覆面作家から絶海の孤島に立つ館に招待された五人の推理作家。島に向かうと招待主の姿はなく、館にあったのはミクロネシア先住民族・奔拇族が儀式で使う「ザビ人形」だけであった。招待された作家たちにはある「共通点」があることが明らかになったその夜、全員が惨殺死体となる。
というのが『始まり』で、どっからどう見ても死んでる作家たちが次々と意識を取り戻し自分たちを殺した殺人者について推理するわけですが、なんで生き返ることができたのかについては「理由」があるんでそこについてはスルーするとして、とにかくまあ汚い。死に様がグロイというより(想像させられる)絵面が汚い。
生き返る→推理する が繰り返されるのですが、実行可能かどうかは別としてそれぞれの推理の中身はトンデモ面白いとは思うものの如何せん(想像すると)絵面が汚すぎて内容が入ってこない。
挙句犯人の動機は「しょーもない」ものだし(この作品らしくはあるけど)、なぜ私はこれを読みながら降車駅を乗り過ごしたのだろうか・・・それが最大の謎。