『仮面ライダーゼロワン』第9話「ソノ生命、預かります」

元々医療現場での使用を目的としてヒューマギアが開発されたって話で、だから病院スタッフの多くがヒューマギアであることは当然と言えばそうなのだろうよ。で、病院が滅亡迅雷ネットに襲われヒューマギアが次々と暴走しているから緊急措置としてヒューマギアを一斉に「止める」という判断は間違ってはいないと思う。でも現場に連絡もなく「突然」「一方的に」シャットダウンさせるってのはマズいでしょうよ。現に緊急オペが必要な患者が通路で放置されちゃってるわけで、『こういう事態』に陥ってしまったときのためのバックアップ体制ってどうなってんのさ?。ほとんどの業務がストップしちゃってんじゃん。
ヒューマギアは人間の暮らしを豊かにするものだと言うけれど、そのヒューマギアが稼働しなくなったら今回で言えば病院の機能が即死するような状況がはたしてほんとうに「豊かな暮らし」と言えるのだろうかって話なわけで、さすがにこの強制シャットダウン描写はヤバイ。

ていうか、今回は「医電病院のヒューマギア」をシャットダウンしたけど、「ヒューマギアは人間の管理下にあると示すためにも直ちにシャットダウン」という副社長の意見からして全てのヒューマギアに対して同様のことができる、ってことだよね。その『判断』を製造会社の社長の『一存』でできてしまうって恐ろしくない?。しかも一旦はシャットダウンしたものを「俺がブレてちゃいけないよな!」なんつって「信じる、信じない」なんてものを判断基準にして簡単に再起動できちゃうんだぜ?。
子供番組だからわかりやすく作ってることを差し引いてもここまで人間の生活に密接してる、直結してるヒューマギアを一企業の社会経験ほぼ皆無であろう若い社長の気持ちひとつで社会に対してなんの通知も警告もなく電源切ったり入れたりできちゃうとか怖いし、それに対して“人間の生命に危険が及ぶかもしれないから”シャットダウンしたはずなのに再起動したことについて“社長の責任問題になるかも(そしたら自分が社長の座に座れるぞ)”とほくそ笑む副社長とか、飛電インテリジェンスヤバすぎるって。

今回ようやっと「滅亡迅雷ネットによるヒューマギアの暴走」がニュースになってるという描写があったけど(ヒューマギア評論家って普段なにしてんだろうね?w)、これだけ大量に暴走させられたのに被害者(死者)ゼロなの?だとしたら滅亡迅雷の人類滅亡計画(やり方)練り直したほうがよくない?ってのはソレとして、

病院でヒューマギアが集団で暴走→ニュースで報道される→強制シャットダウン→直後(刃さんが病院から飛電の社長室に駆けつけ熱弁をふるうまでの時間)に再起動→別の病院でまたもや集団暴走

という時系列だと思うのだけど、この流れについて社会的にはどういう扱いになってるのかと。医電病院ではさらなる暴走は起きなかったのだろうし、別の病院も駆け付けた或人の働きで被害者を出すことなく滅亡迅雷の攻撃を阻止したってなことだとしても、「被害者は出なかったのでこの話は終了」ってことにはならないよねえ?。株価がストップ安はどうでもいいとしても飛電には「三千件」の問い合わせがあったらしいし、ここまでの騒動になったらさすがに企業として何らかの『対策』を打ち出さねば許されないと思うんだけど、次は大和田伸也って・・・。


不破さんの手術をした外科医・Drオミゴトは滅亡迅雷のハッキングに“耐えた”けど、マギア化したものは破壊一択だけどハッキングされても耐えられる=書き換えられなければオッケーってことなのかな?。触手でトリロバイトマギアにされなかった時点でセーフだったのかと思いきや、手術中も同時刻に別の場所で行われている滅の煽りによってマギア化しそうになってたのを堪えたっぽかったし、このことから一旦触手ぶっ刺された個体は常にマギア化の危険があるってことになると思うんだけど、マギア化したら再度のデータ書き換えは不可能だけどDrオミゴトの状態だったら回復できるということかな。
だとしたらそこはそういうものとして理解するとして、自己判断するという形でシンギュラリティか?となった白衣の天使ましろちゃんは触手で暴走したのに対し(大後寿々美ちゃんの出番は結局前回だけだったのか)、Drオミゴトはシンギュラリティには達してなかったのだろうか。目の前の患者を救うってのは医者ヒューマギアとして「与えられた仕事」であろうから、自我の力というか影響?によりハッキングに耐えられたのではなくあくまでもヒューマギアとして職務を全うしようとした結果ってことなのかな。

『滅亡迅雷のハッキングに耐えたヒューマギアがいる』って、ものすっごく重要なことだと思うんだけど、『ヒューマギアが自我を持つ』こともそうだけどなんで或人はそういうことに対して無頓着なんだろうなぁ。だからヒューマギアのことを考えているようでいて実は全く考えていない・・・ように思えてしまう。
結局“脳の検査だけ受けていない”話はなんだったんだ?な不破さんも「ヒューマギアに殺されそうになった記憶」と「ヒューマギアに命を救われた事実」についてもっと苦悩してもよさそうなもんなのに、というより苦しんで欲しいのに、或人のギャグに笑ってるしさあ。
オペ後に目を覚ましたところでヒューマギアが執刀しましたと知らされてキレなかったあたり、わたしが思っているよりも単純な脳筋ではなさそうなところはよかったけど。


ヒューマギア全肯定派の或人とヒューマギア全否定派の不破さんという図式で始まった物語が、今回の前後編でそれぞれヒューマギアの新たな一面を知り、その認識が変わっていく最初の一歩になるのかなと思いながら見てたけど、不破さんはともかく或人が考えているようで考えてないっぽすぎてなんかちょっとテンション落ちてきたかも・・・。戦闘中のノリの軽さも気になり始めてきたし・・・。


不破さんのことはそれこそ自分が開発した武器を扱う人材としか思ってなさそうだったのに「不破を助けてくれ」と取り乱したり、手術が無事成功し「ヒューマギアに善意は宿るかも!」とウキウキでイズに報告しにくるという意外さを見せた刃さんですが、あれが刃さんなのか刃さんの姿をした別の存在(ヒューマギア)なのかはまだわかりませんが(映像を撮ったのは私だけどそれを流出させたのは「私じゃない」ってことかな?)、盗撮してるとこ撮影されてる刃さんは面白かったです。