『俺のスカート、どこ行った?』

古田新太が主人公で女装家の教師という事前情報だけで、ホラー寄りの女王の教室みたいなドラマだったらいいなと期待していたわけですが、GTOのゲイおっさんバージョンでした(笑)。

共演者のなかに桐山れんれんの名前があることは確認してたものの役柄まではチェックしてなかったんで、ふるちんに振り回される副担任とか美味しすぎるポジションでウハウハだわ、こっちは出演することすら知らなかったふるちんの娘の元カレの東大エリート役がルパンレッドの伊藤あさひくんで、戦隊後初レギュラーとしてはなかなか悪くない役っぽくて、これだけで確実に楽しめます。
二人ともに古田新太とガッツリ芝居ができる役だと思うんで、役者としてどれだけ成長できるか目線でも嬉しい&楽しみ。

・・・なんだけど、GTOの別バージョンと書いた通り「教師モノ」「学園モノ」としては過去に作られたさまざまなドラマと比較してもなにひとつ目新しいとことがなかったんだよな。「ゲイで女装家の担任(校長がゲイバーでスカウトした)」という突飛な設定が生徒の心を動かすことになんら意味を持たなかったことが残念。
他人からの攻撃で自分の容姿にコンプレックスを持ちマスクを外せない生徒に対し、残念ながら見た目の損得はあると、見た目で得する人間じゃなく損する人間を見ろとかなんとか言ってた記憶があるけど、「女装したオッサン」なんて『見た目』を語るにあたって最高というか最低というか、このうえない存在であるはずなのに、「自分の言葉」には聞こえなかったんだよな。家では普通に男の姿で過ごしているのに外へ出る時は「女装家をやってるオッサン」ならではの言葉を言って(言わせて)欲しかった。そうでなきゃ意味がなくない?。

それよりなによりこの格好した古田新太が出オチにすらなってないってのがどうなのよと。ただでさえ違和感というか驚きはないのに教師たちが普通に受け入れちゃってんじゃんと。それぞれ内心いろんなことを思ってるんだろうけど、“女装したゲイのおっさん(が同僚になること)”に対しどういう感情を抱いているのか心の声で言わせるとかすればいいのに。それにより教師たちがそれぞれどんな考え方をするタイプの人間なのかという紹介にもなるじゃん。で、みんなは心の中で思ってるのに白石麻衣だけが「ポコチンどうなってるんですか?」と声に出して聞くってなほうがよかったと思う。これじゃあ乃木坂のトップアイドルに「ポコチン」「デカチン」って言わせたいだけにしか見えなかったよ?。まあそういう意図なんだろうけど、だとしたら主人公の「ゲイ」要素もしょせんその程度の浅はかな価値観でしか描かれないんだろうな。

初回ラストでいかにもなにかありそうな感じで薬を飲んでたけど、病気を抱えているのか?(だから「教師」になりたいといとうせいこうに言ったのか?)と思わせて、実はホルモン剤でした!ホルモン剤飲んでてその容姿かい!!(笑)ってなオチ希望。