
- 作者: 宮部みゆき
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2018/11/29
- メディア: 単行本
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杉村三郎シリーズです。
いやあ・・・胸糞!。
もともと(表紙にそぐわぬ)そういう要素が強いシリーズではあるけれど、私立探偵となったことで杉村自身の物語ではなく依頼人やその関係者という“他人”の話であるせいか、胸糞度が容赦なく上がってる。帯には「杉村三郎VS“ちょっと困った”女たち」とありますが、ちょっとどころじゃねえ!!ってのはそれとして、その困った女たちは杉村目線、杉村フィルターを通して描かれるわけで、胸糞度が上がったってのはつまり杉村三郎という人間の・・・暗黒度?が増している・・・ということなのではなかろうか。
しかしまあ、「イヤミス」というジャンルが定着して久しく、女王だの旗手だのと呼ばれる作家さんがいるなか私はやはり宮部みゆきこそが最も「胸糞女」を描くのが上手いと思う。「厭な話」ではなく「胸糞女」ね。今作はそれがテーマみたいなところはあるんでその真骨頂的な感じではありますが、話のなかにサラッとというかシレっとというか、そういう女を出してくるところが実に恐ろしい。