青崎 有吾『早朝始発の殺風景』

早朝始発の殺風景 (単行本)

早朝始発の殺風景 (単行本)

『ワンシチュエーション(場面転換なし)&リアルタイム進行でお届けする五つの“青春密室劇”』と帯にあるように、同じ時期に同じ地域で青春を過ごす高校生たちが、始発の電車内、ファミレス、観覧車の中、クラスメイトの部屋、人気喫茶店で、誰かと会話を交わすなかで生まれた「疑問」「感情」の答えを探り、それに見つけることにより今まで見えていなかったものが見えたり、なにかがちょっと変わったり・・・という作品で、それぞれの物語に繋がりはないものの、エピローグでそれぞれの登場人物がちょっとした“すれ違い”をするという趣向です。

登場人物が同じ1編目と5編目は物騒な要素があるものの、謎が解けたからってどうということはない、いい意味でただの「高校生の話」ばかりなのですが、視覚的というか、文字通り「目に見える」謎解きばかりで、とても『絵になる』作品だなという印象です。これは実写で見てみたいなぁ。

というわけで、以下で内容に触れます。











タイトルの「殺風景」って人名(苗字)なのかよ!!!!!(これがこの作品最大にして唯一の驚き)。


あと藤原基央の髪型が「卑屈」とか言われててイラっとしたけど(藤くん自身ではなく卑屈な髪型と言われた登場人物が藤くん(とか志村正彦)を意識したのに・・・という言及のされ方ですが)、5秒ぐらいムカっとしたあといやあれは藤くん(と志村さん)だから似合うのであってそりゃそんじょそこいらの高校生が真似したって卑屈にしか見えんわなと納得しました。