『快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー』#51(最終回)「きっと、また逢える」

劇中でその能力についての説明こそあったものの映画を見てなきゃ「ジャックポットストライカー」ってなんやねん!って話だし、パトレンジャーの知らんところでドグラニオの金庫に閉じ込められた魁利たちが助けられましたってのもなんかモヤモヤするというか、結局パトレンジャーはドグラニオを倒すことも快盗を救うこともできなかったんですね・・・・・・・・・・・・ってな話なんだけどさ、それなのに思いのほかスカっとしたというか、気持ちのいい最終回でちょっとびっくり。

金庫の中に魁利君たちがいるドグラニオを倒す(殺す)か否か。ヒルトップ管理官に「責任は自分が取る(から殺れ)」と言われたし、警察官として市民を守るためにはここでドグラニオを倒すのが正解であることはわかってる。でも!でも朝加圭一郎としてそれはどうしてもできないと。だから魁利は圭一郎に笑顔で背中を預けたんだよね。わたしはそれを「俺たちのことは気にすんな、おまわりさん」という笑顔だと解釈したんで、圭一郎はドグラニオを倒したんだと思ったのよ。で、この時点でルパンコレクションはすべてコグレさんのいる宝物庫に転送されてて、パトレンとノエルの持つコレクションでフルコンプとなり、そこでノエルとコグレとグッドストライカーはアルセーヌの復活ではなく魁利と透真と初美花を取り戻すことを願うと、悲痛な叫びをあげながらドグラニオにゼロ距離で銃を向ける圭一郎のカットから銃声が聞こえた瞬間そこまで一気に予想したので、特別拘禁室とやらに繋がれたドグラニオの姿にはガッカリというか、「あーあ・・・・・・」ってなため息しか出なかった。

ドグラニオがこんな目に遭ってるってことそれ自体はアリだと思う。あちこちの世界を破壊し続けてきたこの俺が人間ごときに!ってなことを言ってし、若い時からブイブイ暴れまくりギャングのボスの座に就き極悪非道の限りを尽くしてきたであろう男の末期がこのザマだってのはこの上ない屈辱だろうし、「この老いさらばえた身体で無力に生き延びるくらいなら死んだほうがマシだ」と言い続けながら死ぬことを許されず寿命が尽きるまで生かされ続けるってのは死ぬより辛い『罰』と言えるだろうから、これまでしたことの報いとしては国際警察もなかなかエグイことをやりおる・・・!ってなところだけど、そこで終わっていいのかと。

ていうか『1年後』よ?。結局圭一郎はドグラニオを倒すことができなかった(撃てなかった)として、それは魁利君たちを助けたいからでしょう?。そのために危険性を承知で特別拘禁室に繋ぐという選択をしたんでしょう?。じゃあ1年の間なにをしてたの?と、ギャングラーの残党退治してたんだろうけどそれは警察の表向きの仕事であって魁利君たちを救うために何をしてたのか?って話。

なにが言いたいかというと、ここで「ジャックポットストライカー」を出すならそれを捜すのは警察の仕事でいいじゃんってことなんですよ。ジャックポットストライカーの能力ならドラグニオの精神操作をして金庫を開けさせ魁利君たちを外に出すことができるかもしれないと、それを発案したのはノエルだとして(善悪反転のコレクション使えばいいんじゃないの?とは考えまい・・・)、なんで行方不明のジャックポットストライカーを探すためにわざわざ魁利の兄ちゃんたちを「怪盗として仕込」んだんだって。「捜す」と「探す」と表記したけど、ジャックポットストライカーを捜すことは違法でもなんでもない、むしろ行方不明者を捜すってのは警察の仕事じゃん。なんで圭一郎たちにそれをさせないんだって。まさかこの期に及んでジャックポットストライカーは「ルパンコレクション」だから、警察に捜させたら押収されてしまうからだなんて言わないでしょ?。それを言うならノエルが探せばいいでしょ?。
魁利たちを救うために警察がやったのはドグラニオを生かし続けることで、実際に救ったのは怪盗になった一般人でしたって、パトレンジャーは最後までこんな扱いかよ・・・って思うじゃん。

てか魁利はずっと「圭一郎」に「兄貴」を見ていたわけで、「圭ちゃんは俺(怪盗)みたいにはなれない」ってのはそのまんま兄貴にも当てはまると思うのよ。そうじゃないとこれまでの魁利の葛藤はなんだったんだってことになるよね。なのに兄貴は怪盗になりましたってなにそれ。兄貴と圭ちゃん全然違うやん。
と思ったよね。自分たちを助けてくれた「怪盗」の正体を知った初美花と透真がしほちんと彩さんに駆け出し抱き合ってんのを見ながら(透真と彩さんアダルティだったわ・・・)(魁利たちを助けたことで兄貴たちは怪盗を引退したみたいだけど、兄貴はマスクをゴミ捨て場に捨て、しほちんは出版社に飾ってあるぬいぐるみに付けてやったのに対し彩さんは自室に置いていて、透真と彩さんは怪盗プレイとかするんだろうな・・・とか思ってしまってほんとうに申し訳ない)わたし完全に真顔になってたんだけど、勝利のことを「兄ちゃん」と呼ぶ魁利が!「・・・ごめん」って謝る魁利が!どんどんと涙目になる魁利が!こんなん見せられちゃったらなんも言えなくなっちゃうじゃんよー!!!。

魁利の「ごめん」は氷漬けされる直前に言い争ってたことに対する「ごめん」であり、本来は圭ちゃん側の人間なのに自分たちを助けるために怪盗なんかにさせちゃって「ごめん」でもあるんだよね?。
じゃあヨシ!!しほちんと彩さん連れた怪盗兄ちゃんがなんかちょっとエロいからヨシ!!(笑)ってなるしかねーだろこんなん!!なんだよ兄ちゃんに鼻つままれる魁利のこの弟っぷり!!。
この時点でわたしはもういい意味でどうでもよくなってたんで(笑)、ルパンレンジャーとパトレンジャーの戦いはこれからも続く!「お゛の゛れ゛か゛い゛と゛お゛お゛お゛!」エンドは1年間ケンカし続けた先輩レッドを強引に引き寄せ肩を組むリュウソウレッド含め素直に楽しく見終えることができました。

ノエルの扱い、ルパン家に纏わる諸々について、ノエル同様人間界に散らばった種族の末裔について、そこいらへん全部ひっくるめて『ルパンコレクションを全部集めたらどんな願いでも叶えられる』ことについてなんら決着をつけずに終わってしまうことに不満じゃないけどそれでいいんだ?感がないわけじゃないけど、だってそこいらへんパトレンジャーには関係ないしね。『ルパンレンジャーVSパトレンジャー』としてはこの終わり方でいいんじゃないかなと思うよ。


二つの戦隊を「VS」として描くという実験的な試みでしたが、それを楽しめた面とそのせいで楽しめなかった面があって、それなりに戦隊を見続けているわたしですら初めての心情、感覚で画面を観ることも多く、その点ではとても意義ある戦隊でした。警察と怪盗それぞれのキャラクターと関係性が良かっただけに、『VS』と銘打ったからには『怪盗』と『警察』の関係性・物語それ自体にもっとドラマ性が欲しかったとは思うけど、それを含めて記憶に残る戦隊になるんじゃないかな。
魁利と圭一郎のWレッドを筆頭に個性的すぎる役を演じきったキャストの方々がこれからどうそのイメージを変えていくのか、次はどんな役で見ることができるのか、とても楽しみです!。