福田 和代『堕天使たちの夜会』

堕天使たちの夜会

堕天使たちの夜会

復讐代行業の<夜会>は妻子を殺された夫の依頼で犯人と名指しされた男について調査を開始するが、その男は米国と日本で何組もの母子を殺害し続けている連続殺人犯であった。という始まりで、この犯人と<夜会>との駆け引きを描く長編なのかと思いきや、この案件はわりとあっさり片付き、続いて別の依頼に着手することになるのでじゃあこれは<夜会>の活動譚的なやつなのかと思ったところで二つの事件を繋ぐ『黒幕』の存在が明らかになる・・・ってな作品でした。
視点となる主人公は<夜会>のメンバーの一人でワケあり警察官ですが、他のメンバーの素性は知らないという設定なのでそれを推理する楽しみがあるくらいであとは特に目新しさのないストーリー展開ではあるものの、主人公の仲間(関係者)がサクサク死んでいくのはなかなか潔く、そこは好みです。