塩田 武士『歪んだ波紋』

歪んだ波紋

歪んだ波紋

誤報」を描く5編からなる作品です。
新聞やテレビ、ネットニュースで情報を発信する者達が様々な理由・状況でもって「誤報」を打ち、またはそれに関わってしまう。そんな物語なのですが、その繋がり(繋げ方)含め骨太で硬派で読み応えがあるのは間違いないんだけどどうにもこうにも読みにくい・・・。私は昨年話題となった「罪の声」を三分の一ぐらいのところから読み進めることができずに放置してまして、それでも連作短編であれば読めるのではなかろうかと思いこの作品を読み始めたのですが、最後まで読み切れはしたもののページをめくる手はなかなか速まらず、その理由は正直よくわからないのだけど、私にはこの方の作品は合わないと判断してしまっていいかなぁ(でも勿体ない気はする)。
それはそうと、SNSを使い誰でも情報を発信できるようになったことで、情報の真偽を見極める力を自分なりに鍛えなければならないなとは強く思う。たとえばツイッターを例に出すと、ある情報が「誤報」だったとして、RTで回ってくるのはその誤報だけでそのあとに「先ほどの情報は誤報でした」ということは回ってこなかったりすることが多々あるわけで、情報を即座に鵜呑みにせず確認すること、それを肝に銘じて生きていかねば。