『高嶺の花』

ああ、わたし石原さとみ(の演技)苦手だったわ。カヨコ・アン・パタースンシン・ゴジラ)と三澄ミコト(アンナチュラル)で克服した気になってたわ。
ということを思いださせられる初回でした。
劇中でわざわざ“ワンチャンありそうなキャバ嬢扱い”したということは“お嬢様としての高嶺の花ではなくナンバーワンキャバ嬢的な高嶺の花だよね”と、あえてそう思わせるキャラ設定であり演技ということなのでしょうが(それでも酔って男の家に泊まった次の朝、用意してもらった朝食を食べるのに胡坐はないわー。味も匂いも感じなかったのにお味噌汁の味がして驚きと嬉しさのあまり・・・だとしても食べ方ががさつだし、こういうところに「育ち」って出るものだろうになぁ)、三浦貴大に裏切られ捨てられたがゆえの自暴自棄なのか生来が高慢なのかはまだわからないけどどっちにしてもこの時点の主人公が『いい女』だとわたしは思わないし、この女なら男に逃げられても仕方ないよねとしか思えない。
そんな女が優しいだけが取り柄の男と出会い変わっていく物語ならスタート時点が“こういう女”であるのも納得、というか当然だけど、でもこれ野島伸司なのよね。華道の家元のお嬢様と寂れた自転車屋の男との身分違いの恋というだけの話になるはずがないのよね。だから母親にガチ暴力振るう中学生?なんてものが出てくるんだろうし(この子、野島作品だと思うと道中で人殺しちゃうかダンプに轢かれて死んじゃうかしそうではあるけど、そこはあえての最終回で痩せてめっちゃイケメンになって戻ってくると予想w)、三浦貴大の役も二股かけてた女が妊娠したからそっちを取るってだけでなく堕胎させるはずができなかったうえに妊娠してる女がヒステリー気味(狂いかけてる)などというゴチャゴチャした設定なのだろうし、家族関係だって母親が違う妹がいて、その妹は姉に依存しすぎてるとか不穏でしかない設定だし、将棋ゲームの成績をみるに峯田も“タダの男”じゃないんだろうし、なにもかもが不幸になりそうな気配しかないもの。
だからこそ主人公をこういうタイプにした、ということなのでしょうが、繰り返すけどわたしは特にこういう石原さとみ(の演技)が苦手なので、その苦手心をかき消すほどのザ・野島伸司ワールドが展開されることに期待したい。そのための袴田吉彦なのよね!?。
期待といえば表面上は可愛い顔して実は腹黒という定番キャラではなくわかりやすい「悪役」らしい千葉雄大くんをこれからどう動かすのだろうか。小日向さんの家元に喧嘩売るこの弟子が可愛い腹黒野郎なら演じるのが千葉ちゃんであることになんら疑問はないけど、これだけあからさまな悪い男に千葉ちゃんをキャスティングした理由はなんなのか(バーターじゃないよね?)、初回を見た限りでは全く合ってないと言わざるを得ないけど、汚れ仕事担当の部下もいることだし、野島脚本と言えば・・・な胸糞アレコレを千葉ちゃんがやる(やらせる)かもしれないと思うと、ちょっとワクワクします。