天童 荒太『ペインレス』

ペインレス 上巻

ペインレス 上巻

ペインレス 下巻

ペインレス 下巻

生まれつき心の痛みがわからない(心の痛みを感じられない)女とテロに巻き込まれ痛覚を失った男の話かと思いきや、もっと大きくもっと深い、そしてもっと孤独な『痛み』の物語でした。
作中で描かれる様々な「痛み」はなにかの象徴とか暗喩としてのものであろうと思いながら読み進めていたのですが(そういう解釈が出来る気がしていたけれど)、余命僅かな老人とその妻の過去話になったらもうなにがなんだかわからず、あとはもう最後までただただ淡々と読み続けることしかできなかった。凡人中の凡人である私には到底理解できるものではなかったです。