- 作者: 雫井脩介
- 出版社/メーカー: PHP研究所
- 発売日: 2018/03/17
- メディア: 単行本
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- 出版社/メーカー: PHP研究所
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とはいえ通称「鹿子ちゃん」がヘッドハント業界で一人前のヘッドハンターになる話というわけではないのでお仕事モノではありません。そういう要素もありはするけどそれよりも主人公(ヘッドハンター)を通して会社を動かすトップに属する人間たちの在り方というか生き様というか、そういうものが描かれていて、求める者と求められる者をヘッドハンターが繋ぐ、その『縁』の物語。
章ごとに異なる案件を描く連作形式で、クライアントの業種も外部から人を入れようとする理由も事情も違うので章単体でも楽しめるし、依頼に沿って人材を見つけて紹介してはいおしまいというわけではなく主人公がキャンディデイトとして抱える人物たちがどこでどう使われるのか(どんな会社とマッチするのか)という楽しみがある。一方主人公自身の話(父の会社のこと)としてはヘッドハンターになるまでの序章で描かれるだけで以降はほとんど描かれず、終盤になって一気にそれが動くのですが、ヘッドハンターとして働いてきた主人公の経験であり人脈が父の会社を救い、そしてこういう形で支えることになるというこの結末、この構成には唸らされました。パズルのピースがバシっと嵌った感があって、スカっとする読後感でした。