『快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー』#7「いつも助けられて」

前回の感想で咲也について“初美花に声掛けるの他の客がいるところでやるなよ?”ってなことを書いたら今回早速他にも客がいるというのにデートに誘い連絡先を押しつけてて、これはいかんでしょガツンと言ってくださいよ先輩方!と思った瞬間「制服でナンパすんな」とつかさ先輩が言ってくれたー!さすがッスつかさ先輩!!。一方「本気なのか?」→「ふしだらな!」な圭一郎先輩も別の意味でさすがでしたが(笑)。
(いずれあるとは思ってましたがもうやっちゃうのかよ!?な)咲也と初美花のデート回は予想に反して初美花の性格であり背景を描くことがメインのシリアス寄りな話でしたが(今回は怪盗がいたから食べられちゃった一般人全員無事だったけど、この店の前にも消失事件は発生してるわけで、その人たちが腹の中に居なかったということは既に消化済み・・・ということになろうわけで、わりとリアルな殺っちゃった感あるよね)、これだけの内容をテンポよく見せる手腕はやはり見事。腹の中の魁利と透真のやりとりも良かったし、この話から次回怪盗の正体バレ!?に展開するとは思わなかった。まぁ大人目線としてはこんなに早くバラすはずねーだろってなもんだけどw。
ていうかジュレの三人が怪盗なのでは!?と疑うのがつかさだってのは妥当なところだとして、鼻つまんでつままれてキャッキャしてる怪盗とジュレで同じことをしてる三人の姿が重なって見えたってのは観察眼の鋭さによるものだろうけど、そのとっかかりが「彼女(初美花)はなぜ咲也の誘いに乗ったのか」という疑問だってのは女性脚本家らしい視点だと思う。初美花がガチで迷惑がってることは察してただろうし、それなのに咲也に声を掛ける気になったのにはなぜだろうと、そう考えるのは同じ女としてすんなり理解できるもん。ついでに言うと子供の頃の初美花に対する女の子たちの悪口も。初美花がしほちんと“親友”になるキッカケが“いじめられてた自分を庇ってくれたから”だとして、そのイジメの内容がヒラヒラしたおでかけ着のようなロングワンピースを“初美花ちゃんいつも変な格好してるよね”ってのはすごく女子っぽいなーと。
で、子供の頃はそれが理由でいじめられていた初美花に対し咲也の「初美花ちゃんいつもおしゃれ頑張ってるよね。(洋服)好きなの?」ってな発言よ。今回の初美花はそれどころじゃなかったし、身も蓋もないこと言っちゃうと全く興味のない男に何を言われても耳スルーでしかないんだけどさw、それでも初美花の過去を描きその流れで咲也にこういうことを言わせる脚本とても好き。さらに劇中で説明されることはないかもしれないけど、怪盗時の格好はきっと初美花が作った(またはデザイン画をコグレに渡して作ってもらった)んだろうなと想像できる。
それから、初回では「誰か一人が目的を果たせばいい(目的が最優先)」と言ってたルパンレッドがルパンイエローを“庇った”わけだけど、その理由は(魁利は無意識だとしても)自分が気づかなかった一般人を身体張って守ったパトレン1号を見たことにあるんじゃないかなとも思えるのよね。以前の魁利だったら透真が言ったように“自分が残る”と判断したんじゃないかと思うのだけど、つい身体が動いてしまったってな感じで思わず庇っちゃったんじゃないかなって、それはパトレン1号の影響なんじゃないかなって。こういうふうに想像できるところが作品としてとても好ましい。お前が残ったほうがよかったんじゃないか?という透真に「それな」とヘラヘラ応えつつも「初美花のトラウマ抉っちゃったみたいだし」と初美花の心配をする魁利ってのすごくよかった!。
それはそうと、今回の怪人は「ルパンコレクションの力によってなにが変わって(どんな力を得て)どんな悪事をしているのか」ということがこれまでで一番明確だったように思うのだけど、特別な訓練を受けてるであろう国際警察はともかくついこの前まで女子高生だったはずの初美花がバリバリ戦えてることが(戦隊だからそういうものとはいえ)不思議ではあったんだけど(今回なんてフランケンシュタイナー決めてたわよ!?)、そうか、ルパンコレクションの力を使ってるからか!と腑に落ちた。
でもそれでもやっぱり印象に残るのは狙撃に適性がある(からと言って近接戦闘が得意ではないとは限らないけど)咲也が単身頑張ったことに対し「後輩が世話になったなぁ!」な圭一郎であり「警察とヨーヨーは相性が良いらしい」というつかさなのである。