『仮面ライダービルド』第28話「天才がタンクでやってくる」

うーーーーん、戦兎と紗羽さんが仕掛けた「作戦」はなかなかにドラマチックではあったけど、そもそも紗羽さんに対する「鍋島家族の命」って作劇としてそこまで有効なカードかなーってところがあるよなぁ。これが万丈だったらわかるけど、紗羽さんは仮にも「難波チルドレン」なわけじゃん?。東都政府に捕まえさせようとしたことで捨てるつもりだった、自分は捨てられたんだと自覚してたそうなので難波への忠誠心はかつてほどではないのだろうし、それが難波に伝わってたんだろうし、だから本来であればただ命令すればいいだけのところを紗羽が拒否できないように手段を講じるってのはいいとして、そのための人質が鍋島家族ってのはあらゆる意味で弱いだろうと思うんだけど。視聴者目線としては今の紗羽さんはそれが誰であろうが「人の命」のためなら命令に従うしかないと考えるだろうと理解できるけど、難波はそこまで紗羽が“使えない駒”になってるとまでは思ってないだろうし、紗羽を動かすためのカードとして鍋島家族を選ぶ理由がわからんもん。
でも他にいないんだよね。28話ともう半分過ぎたのに、こういう時に『使える存在』であるサブキャラクターがいない。だからこの程度の関係性でしかない鍋島を引っ張り出すしかない。
ついでに言うと、このレギュラー以外の存在がほとんどないことが『戦争に苦しむ市民たち』を描けないことにも繋がってると思う。戦兎や万丈が『守ろうとしてる人々』の姿が全く見えないことに。
かと言って、じゃあそのぶんレギュラーの話をガッツリ描いているのか?というとそうでもない。少なくとも紗羽さんに関しては戦兎たちに対し『家族』のような想いを抱くほどの時間を過ごしていたようには思えないもの。結構紗羽さん不在の時があったけど、なんならスパイ活動してんだろうなーぐらいのつもりで見てたよ?。
だからなんか、今まで一体何を描いてたんだ・・・?とか思ってしまった。スタークの便利能力で御堂に成り代わる難波なんて展開になったから余計に。
あとこれが一番「今まで何を・・・」なんだけど、
ラビタンハザード→制御できない
ラビラビ・タンタン→制御できる
制御できるかできないかの差であって制御できればラビタンハザードのほうが「強い」のかもしれないけど、現状それはできないわけで、ベストマッチであるラビットタンクよりラビットラビットでありタンクタンクのほうが強いってことになるわけだよね?。進化があっての結果論とはいえベストマッチってなんだったんだ感。
でもあの幻徳がかつての自分は自尊心と虚栄心だけのクズだったと言えるようになったこと。これだけは28話かけて描いてきた成果と言っていいと思うよ。成長かどうかわかんないけど。


冒頭のコントのみならず本編でも「カズミン」呼びが推奨されてましたが、そうか、もう「カシラ」と呼んでくれるやつらはいないからか。寂しいな。