『宇宙戦隊 キュウレンジャー』Space.Final「宇宙に響け!ヨッシャ、ラッキー!」

何度聞いても(3回見たよ)イマイチ頭に入ってこないんだけど、ドン・アルマゲの正体は宇宙中の最悪な運を持つ者達のネガティブ感情の集合体だそうで、ジャークマターによる支配がはじまる前の宇宙がどんなだったのかしらんけど、普通の人々だけど最悪な運を持つってぐらいだから言いかえると最悪な毎日(だと自分では思ってる)を生きる者達の嘆きや恨みや憎しみや哀しみがどうにかこうにかして集まって、単純にいっちゃうと「でっかい悪意」となり、それがドン・アルマゲという実態のない人格となった・・・ってな感じでいいのだろうか。それが宇宙政府を作って宇宙を支配して300年もの時が経ち、そしたら宇宙を破壊したくなって、そしたら9人の救世主が現れて、そんで戦ってました・・・ってのがこの1年間描いていたことだったと。宇宙壊そうとしたけど阻止された最終回は宇宙中の生物を吸収して人々は私の中で永遠に苦しむのだ私こそが宇宙だフハハハハ―ですか。
・・・・・・どうしようなんかいまものすごく虚しい。
いやだってさ、ツルギが初代宇宙大統領に就任した時にはドン・アルマゲはまだ今のような存在ではなかったってことじゃないの?。ジャークマターによって鳳ツルギが初代宇宙大統領だったという歴史(の教科書)が書きかえられたわけだから、時系列的には ツルギ大統領に就任→クエルボたち88人(だっけ?)の戦士とともにジャークマター=ドン・アルマゲと戦う ってなことになるよね?。てことは、ドン・アルマゲの基であり素である「不運な者達の悪意」ってのはツルギが大統領として宇宙を統べてるときにも集まり続けてたってことにならない?。
どれほど平和な世の中だって自分は不運だ自分だけ幸せじゃないと感じる人間はいるだろうけどさ、それでもツルギにも責任ってもんがあるんじゃないか?。そしてツルギが再び宇宙大統領に就任したけど、繰り返すけどどれほど平和であっても悪意を持つ人間はいなくならないだろうと思うわけで、さらに言うとツルギはクエルボ=持たざる者の気持ちを理解することができなかったわけで(クエルボの魂を救うことはできなかったわけで)、また再びドン・アルマゲが生まれるかもしれないよね?。
その時はまた宇宙に生きる者達のなかから9人の救世主が生まれ(シレっと12人になってたけどね。伝説って一体・・・)、なんどだって宇宙を救うから大丈夫!ってな未来性を持たせることを意図してドン・アルマゲをこういう設定にしたのならいいんだけど、悪意とはいえ元は『宇宙に生きる人々の感情』なのにそれを解ったうえで結局12人という大人数の力で蹴倒すというラストバトルを見るにそこまで考えてのことだとはわたしには思えない。悪意にパワーで対抗してどうすんのさと。宇宙は俺達の手で作るのは結構だけど、そのまえに不運を嘆く者達の想いを救ってやれよと。感想のなかで何度も何度も書いてきたけど、最後もやっぱり心無いよねと。
それにさ、アルマゲに対しひとりひとりが回想とともにいいこと(風なこと)を言ってたけど、スパーダとハミィの回想の無意味さは言いすぎとしても中身のなさと言ったらもうね・・・最初からいるのにツルギはともかく小太郎にすら及ばないとか気の毒すぎて。
アルマゲとの最終決戦も宇宙になった状態で倒され、巨大化して倒され、宇宙に吹っ飛ばしてラッキーに憑りつこうとしたけどダメで倒され・・・ってやってることは同じことの繰り返しだし、ていうか繰り返しと言えば「ううおおおおおおお!ハアッー!!」を12人ぶん同じカットで繰り返すとか尺余り感がすごかったよね・・・こんなに間延びしたラストバトル見たことないわよ・・・。それでいてスパーダとハミィは最終回の回想でつかえるような(視聴者の記憶に残るような)エピソードを貰えなかったわけで・・・・・・。
かといって1年通して特別扱いされまくったラッキーさんは命掛けで宇宙を、そして自分を守ってくれた父親から王位を継承したというのに、ジャークマターの仕込みである偽国王の悪政に苦しんでいた国をほったらかしにか他人任せにかして人助けという名の宇宙旅を満喫ですからね。つくづくこの1年はなんだったんだ・・・ってな話ですわ。
キャストはね、求められることを一生懸命演じてたと思うんだ。大がつくほど嫌いなラッキーだけど、ラッキーというキャラ自体がダメだっただけで演じる岐洲くんに罪はない。いやまぁ放送中に熱愛報道とかやらかしたけどさ(そしてそれが思った以上に、というかそんなつもりはないにも関わらず視聴(感情)に影響あったんだけどね)。それだけに、より一層虚しさが募るんだよね。
キャストの演技力がさほど伸びなかった(と思う)ことも含め、玩具の売り上げはどうだったのか知らんけど作品としてキュウレンジャーが成功したとは言えない原因はスタッフ側に(多く)あることは明らかだと思うんだけど、キュウレンに限らずこのところ戦隊チームの総合力が衰えてきてるように感じるんだよなぁ。だから12人どころか初期の9人すらマトモにキャラクターとして描ききれなかったってのに、次はW戦隊とか期待よりも不安のほうが大きいです。今のところは。それでもわたしは戦隊が好きだから、途中いろいろあったとしても最後(ラストバトル周辺の話)さえよければ「終わりよければすべてよし!」になるんですよ。そう思いたかったよね。