ジェフリー・ディーヴァー『スティール・キス』

スティール・キス

スティール・キス

今年は翻訳ものも沢山読むぞ!という心意気でもって一冊目はこれにしました。


今回は犯人がこれまでと比べて大したことないというか言ってしまえば“普通の犯人”で、どんどんと便利になっていくモノが突如人間を傷つける武器となるという事件自体も現実でも起こりうるという意味での怖さはあるけど小説としての怖さはなく、恒例のドンデン返しも驚きはしたけど鮮やかとまではいかず(そうなるだろうと分かってるのにライムとアメリアそれぞれの事件が一つになった瞬間のほうが「おー!」という興奮度は高かったぐらい)、満足度としてはそうでもなかった。でもかなり有能な新キャラクターが登場し、アメリアの元彼も現れ、それによりライムとアメリアの関係が悪い方向に変わってしまうのかと思いきや、え?二人の間ではそんな話になってんの!?という驚きがあったりするのでライムとアメリアふたりの物語としては読みごたえあり。