スーパー歌舞伎Ⅱ『ワンピース』・特別マチネ『麦わらの挑戦』@新橋演舞場

市川猿之助さんがルフィとハンコック役を務められる通常公演の初日と、尾上右近さん以下若手が通常公演とは別役を務める特別マチネの初日を観ました。
開幕前は正直そんなにテンション上がりまくりー!ってな感じではなかったんです。客が勝手に盛り上がるぶんにはいいんだけど主催者側が「ファーファータイム」なんつってあの時間のもろもろを“公式化”するどころかタンバリンなんて観劇に相応しくないアイテム(その瞬間はいいかもだけどそれ以外の時間でそのつもりでなくとも音を鳴らしてしまう客がいるかもしれない)をグッズとして用意するとかちょっとこう・・・そのノリに辟易するところがあったりしてですね、初演の時のように夢中で通いまくる!!なんてことにはならないだろうなーと、そんな感じで初日の座席につきました。


やっぱ楽しいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!!!!!!!
毎日入りたいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!!!!!!!!


1幕を観終わった頃にはテンションMAXバーニン状態w。
いやでもタンバリンは買わずに堪えたの!。開幕前の時点で目に入る客全員の手にタンバリンがあったけど(1階6列サブセンでした)、いやいやあたしゃそんなもの持たねーぜ!って強がったの!。
2幕が終わる時にはものすっごい後悔してた・・・・・・なんでわたしタンバリン持ってないの?って・・・・・・・・・・。
だってオカマちゃんたち初日からガンガン煽ってくるんですもの。おまえタンバリンは!?ってな勢いで煽ってくるのよあの人ら・・・w。
つーか初日(初回)から一気に総立ち&大合唱ってどういうこと(笑)。
悪いこと言わないからタンバリン(税込900円)は買ったほうがいいよ。持ってないと疎外感ハンパないから(持ってくるの忘れて買うを繰り返し最終的に何個買う羽目になるのだろうか・・・)。


初日一番感動したのは坂東巳之助さんのボン・クレーが登場した瞬間「待ってました!!」と大向こうが掛かったこと。客席の拍手もすごくって、まさに会場中が「待ってました!」で熱量一気に上がったのが肌でわかった。ボンちゃんの一挙手一投足に客席みんな夢中だもん。またみっさまボンちゃんを観ることができることに感謝します!。


そんな感じであらゆる意味での安定の通常公演初日を終え、そして迎えた麦わらの挑戦初日はこれまたすごかった。初演初日とはまた違うドキドキ感で、なにもかも、どこもかしこもとにかくドキドキで、終演後頭がガンガンしてたのはたぶん息を止めて見すぎたせいで酸欠気味だったからだと思う。わたしがそこまで緊張する必要皆無なのにw。
もっとこう、けんけん(右近くん)独自のアプローチでルフィを作ってくるかと思いきや、猿之助ルフィを完全踏襲で(よくよく考えたら(考えなくともw)これ歌舞伎なわけで、そういう意味での「型」はあるだろうから役者によってそこまで大きく変えることはできないしすべきでないんだけど)、それゆえに力量差はやっぱり明白で、でもだからこそ『挑戦』なんだよね。
通常公演はもちろんカーテンコールのラストで登場するのは猿之助ルフィなんだけど、麦わら回ではシャンクスを演じる猿之助さんはカテコの最初に登場するんです。で、右近・巳之助・隼人・新悟が4人ならんでカテコのラストで登場するんだけど、この4人が浅草ではなく新橋演舞場の真ん中に立つこと、ここに猿之助さんが考える「歌舞伎の未来」があるんだろうなーって(初演の演舞場千穐楽でみっさまと隼人のことを「歌舞伎界の宝」と言ってくれた猿之助さんですから!)、それはまさしくシャンクスや白ひげがルフィに託した想いと同じなんだろうなって、そう思ったらもう感動と感激で泣かずにはいられない。若手にこういう機会を与えてくれる猿之助さんへのありがとうとだいすきが止まらない!!。


とか思ってたのに、まさかまさかの事態に。
第一報を聞いた時は状況が全くわからず戸惑いしかなかったけど、猿之助さんのコメントが出てちょっと落ち着きました。
残念だし、猿之助さんの無念さを思うと悲しくてたまらないけど、歌舞伎役者として「今」ではなく「この先」を考えてじっくりしっかり治して欲しい。
そしてただでさえ大抜擢なのに代役として猿之助さんの「代わり」を務めなければならない右近くんは大変なんてもんじゃないでしょうし、チャンスと考えるには異常すぎる事態だと思うけど、とにかくガムシャラに頑張ってほしい。いつもとは違う喉の使い方をしてるせいか初日から声が荒れてたのがすごく心配ではありますが、無茶をせず、でも精一杯以上の頑張りでこの荒波を見事に乗り越えてもらいたい。右近くんならそれが出来ると信じてる。
(代役という形での初回を先ほど無事に終えたそうで、けんけんの表情から覚悟が伝わってくるという感想を目にしていまちょっと泣いてる。頑張れとしか言えないけど、それを見守ることしかできないけど、けんけん頑張れ死ぬ気で頑張れ!!)


猿之助さんが休演となったことでガッカリされてる方も大勢いるとは思いますが、坂東新悟くんのサディちゃんは一見の価値があるし、中村隼人くんのマルコも包容力のあるマルコで大層素敵ですよ!。
この先ワンピース歌舞伎は定番作品になるでしょうが、その歴史のなかで“猿之助さんの不在を若手が埋めた公演”として語り継がれるかもしれないと思うと、観ないという選択肢はないでしょう!。なのでぜひぜひ劇場に足を運んでいただきたく!。ついでにタンバリンもお忘れなく!w。