『ハロー張りネズミ』第8話

控えめに言って神回でした。なので全力全開でこの言葉を叫べます。
ここまで見続けてきてよかった!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
いやもう泣いたね。感動の表現などではなく普通にダーーーーーって泣いた。
この依頼人と共に娘さんを訪ねチャーハンを作って食べさせることを提案するだけなら瑛太でも構わないだろう。五郎でも同じことをしたかもしれない。
でもそのチャーハンを「泣きながら一緒に食べる」のは森田剛のグレさんじゃなきゃダメだし(グレさんの涙もろい設定はこのためのものだろうし)、殺人を犯し服役していた男に「息子には会えなかったけど兄さんに会えてよかった」と言われたのは“同じ匂い”をさせてる森田剛のグレさんだからこそ。
聞いた話によるとグレさんは原作とはだいぶ違う感じだそうですが、ドラマ版グレさんに森田剛がキャスティングされた意味はこの話にあったんだな。わたしはそれで超納得です。
そして森田剛アウトロー感を引き出す國村隼の巧さと存在感よ!。
正直國村さんの事情はなにからなにまで予想できるよね。罪を犯し服役していたであろうことも、罪状が殺人であろうことも、今更子供たちに会って詫びたいと思った理由が余命僅かであろうことも、全て予想ができてしまう。なにひとつ捻りのないストレートな物語を『人情』だけで魅せてしまえるのはさすがだし、森田剛もしっかりそれに応えてた。
さっきまでチャーハン作ってたのに路上で倒れて町医者に診察してもらい即入院を言い渡されてから目が見えなくなり意識が遠のくという病状の悪化があまりにも早すぎたけど(娘に「宇宙一美味しい」と言ってもらえたことで満足し気力が尽き果てたのだろうと脳内補完)、そんな状態のオッサンを乗せて必死で息子の元へ向かいベランダにあるかもしれない黄色い何かを必死で探すグレさんの不器用な必死さ、黄色いハンカチがあったと言うグレさんに「兄さんに会えてよかった」と応えてくれたオッサンの無骨な優しさ、このシーンは映像の質感と相まって見事な哀愁感だった。
そしてここで終わってもよかったであろうところを父親に会うのを拒んだ兄に「これから父のことを考えてみます」言わせたこと。これはオッサンにとってというよりも兄妹にとっての救いだと思うんだ。父親に対する怒りや憎しみだけを抱え続けるのって苦しいだろうからさ、ほんの少しでも許せるというか、怒りや憎しみの総量が減ったとすれば少しは楽になるだろう。それはグレさんがオッサンと兄妹にもたらしたものなわけで、最後のガチすぎる黄色いハンカチタワーはやりすぎっちゃやりすぎだったけど、でもそれも含めて「グレさん回」最高でした。
ていうかこれ映画で見たいわー。ハロー張りネズミの映画化ではなくワケあり探偵・森田剛がワケあり依頼人國村隼とともに息子と娘に会いにいくロードムービーが見たい(言霊言霊!!)