『おんな城主 直虎』第29回「女たちの挽歌」

どれだけ必死で裏工作しようとも、より強いものの一言によってそれがすべて無駄になってしまう無常というか非情というか悲哀というか、「氏真の話」と「井伊の話」の入れ子構造のようでありながらちゃんとこの時代を感じさせる見事な脚本だったし(豪雨をバックに生首ゴロリしてる中一人だけ「色」を纏う氏真ってな演出もよかった!)、そこで素晴らしい働きと存在感を示したのが前半あれだけ「なんだこの女」でしかなかったしの殿であるところが作品全体でみるに実に巧い。
そこに相手は顔知らないだろうからという子供の浅知恵に満更じゃないってか結構その気なあやめさんの図wを絡ませるところも女大河らしい小ネタで面白かったけど、しかし寺田心さんに対するわたしの苦手心がそう見せたのかもしれませんが、母上が行きたくないと言ってる→井伊にとって大事なおなごなら誰でもいいんでしょ?→じゃあおばあ様→じゃあ姉上→殿おなごじゃないですか!→顔知らないだろうからあやめおばさんを替え玉に・・・という虎松のこの思考回路が無邪気な子供が必死で知恵を絞ったというより目的のためなら手段を選ばぬ恐ろしさを感じさせるわ・・・。
相変わらず腕組みムッキムキの傑山さんがご健在であることを確認できてホッとしました。