黒井 卓司『フェイスレス』

フェイスレス

フェイスレス

八年前に世界は誰にも気づかれぬまま二つに枝分かれして、全く同じ状態のまま宇宙がもうひとつできて、その世界にある「もうひとつの合衆国」とエリア51の地下施設で繋がっていることがわかり合衆国は秘密裡に交信を重ねていたが、その「チューブ」と呼称する空間を最初に通って「もうひとつの合衆国」にたどり着いたのはアリで、「もうひとつの合衆国」で交配し誕生したアリは1世代で驚くべき進化を遂げていた。というトンデモ話です。
いきなり密閉された空間でアリ90匹と人間15人の戦いが描かれるので(戦いはアリの圧勝)エイリアン系の展開になるのかと思いきや日本人同士の三角関係が中心となり、そこからあちら側の男がこちら側の男になり代わり愛する女と異世界交配を目論むというよくわからない作品ではありましたが、人類を滅ぼすのが『殺人アリ』というところがタイムリー。