『コードネームミラージュ』第9話「食べル」

なんか・・・凄い回だった・・・・・・。死体を細かく砕いて肉団子にしてすっぽんの餌にしてそのすっぽんを食べる権力者たちのこの一連の流れが特殊映像と相まってなかなかにグロかった・・・・・・。
最初車のなかでハブが飲んでるものにモザイク掛かってて「ん?なにこれ?」と思わせて(スポンサー絡みだと思ったけど、でもその前に停車してる車で飲食してるときは思いっきり氷結らしき缶が映ってたわけで、ドラマの中とはいえ飲酒運転であることをボカさねばならないからのモザイクなのか)、そのまま一気に死体が文字通り「処理」されるまでをコミカルかつ気持ち悪く見せたこの流れは深夜ドラマならではだよな。
イタリアなんかだと死体処理の方法として豚の餌にするとかあるらしいけど、これは最終的に殺した男の上司たちの「口に入る」ことで完全に処理されるってところが恐ろしいし、お前らが食べてるすっぽんの餌はお前らがそこに居ると思ってる男の肉体なんだぞってところがエグイわー。
(高級料亭ですっぽん喰いまくるその金は国民の血税が出所だろうわけで、だったらマジで国民の血肉を喰らえと、そんな皮肉も込められてるのかな)
で、これだけインパクトのある話(映像)だと他が霞んでしまいがちだけど、予想&期待してたのとぜんぜん違う感じだったものの高橋洋さん演じるハブがまたすごかった。下品さからの切なさのふり幅が凄まじかった。大震災で心を病んでしまった美しい青年を言葉巧みに操り利用してるゲスい男かと思いきや、返り討ちに遭いあっさり死んでしまったユヅルに取り縋り流す涙の哀れなことよ。
震災で出会ったということはハブもまた震災で何かを失ったかどこかが壊れてしまったかしたのではないかと思うわけで(まぁ・・・震災泥棒に行っただけかもしれないけど)、ユヅルの存在がハブを支えてたんだろうなーと、今のユヅルはハブがいなければ生きていけないように、ハブにとってユヅルもまたそういう存在だったのだろうなと、それが伝わる嘆きだった。
わたしが高橋洋さんのことをとてもとても好きだからそう見えたのかもしれませんが、ユヅルが死んでしまったことに呆然としながらハブが流した涙は綺麗だったよね。その手がどれだけ汚れていようとも、ユヅルのために泣くハブは純粋だった。
ミラージュに容赦なくあっけなく撃ち殺されたハブとユヅルの死体が、わたしにはフランダースの犬のネロとパトラッシュのようにすら見えてしまって、ちょっと戸惑ったよね。二人一緒に地獄へ行けてよかった。
しかしこの出自のユヅルをもってしても敵わないミラージュさんの前身というか過去というか、そこにどんなドラマがあるんだろうなぁ。ユヅルのナイフに対し銃をクルってして構える痺れるほどのカッコよさの一方で豊さんとのお前はもう死んでいる勝負wで勝利して「イヨッシャー!」するミラージュさんは可愛くて、そのギャップは魅力的でありながら不安を煽られる・・・。