『CRISIS 公安機動捜査隊特捜班』第4.5話

小市さんの口から出る「ハニートラップ」に特大の違和感を覚えつつ(そんなタイプじゃないよーう!)金城さんは野間口さんのことがほんとうに大好きなんだなと思わされまくりの4話を経て、稲見ってか小栗旬をこれでもかってぐらい追い込むなぁ・・・。
4話で国を出るとしたらハワイがいい「あったかいとこで過去のことは忘れて、楽しく暮らすんだぁ」と「過去の自分と決別したい場合は、どうすればいい?」と、何気ない話の中で本音というか本心というか、稲見の心情を描いておきながら、5話でそれを揺さぶり一気に過去へ引き戻そうとする。『苦しむ小栗旬 葛藤する小栗旬』は確かに絶品だけど、これはもうタクシーの運転手さんに千葉で解体業やってるオッサン役と地味に活躍する班長にウハウハするぐらいじゃ気が紛れんぞ・・・。
と思ったところでグロケン官房長官逮捕って!!!。このオチは予想外すぎてビックリしたわー!。
これ、鍛冶は神谷という政治家に対する『貸し』よりも「もし私が権力に逆らったら殺しますか?」と問うてきた稲見を手元に置き続けることを選んだ、ということだよね。神谷というカードはもっと大きな、それこそ鍛冶がいう『本物の悪』を叩くために使われると思っていたのでこういっちゃなんだけど“こんなこと”でそれを切っちゃうのかーとほんと驚いたけど、それが自らが作った特捜班の一員だから(ひいては特捜班全員のガス抜きであり労いのため)なのか、それとも稲見だからなのか、それはまだわからないけど、鍛冶にとって特捜班、もしくは稲見は単なる手駒ではないということか。
・・・・・・と、真っ直ぐ見ればそういうことではあるのでしょうが、稲見の“過去”を知ってるらしい鍛冶は稲見が神谷に対し“何か”することを防いだ・・・・・・・・・というセンも捨てきれないなぁ。鍛冶にとって特捜班は今はまだ手駒として有用というか、なんらかの目的のために特捜班を運用してて、する必要があって、だから今ここで特捜班の稲見に“何か”させるわけにはいかないと、今特捜班を潰すわけにはいかないと、だから神谷を逮捕させることで稲見から遠ざけた・・・ってな見方もできるんじゃないか?と。そんなことを考えてしまうのは金城脚本だから。
でもまぁ少女買春の罪だけじゃ保釈金積んで出てくるだろうから、神谷の政治生命を終わらせることが鍛冶流の部下を危険に晒した『オトシマエ』ということでいいかな。
ていうか長塚京三に『善も悪もすべて取り込んで、しなやかに動け』という台詞の似合うこと!!!。
今回の潜入捜査の結末の背後に神谷がいたという事実を“知ってる”ことがはっきりしてるのは稲見だけで班長たちがそれを知らされているかはわからない。だから特捜班にとっては少女買春を行い一人の少女を植物状態にした“犯人”がようやく逮捕されたということ“だけ”かもしれないけど、稲見はそれだけじゃないとわかってる。これが『薄汚い仕組みを変えたかったら、正義感に縛られて動きを不自由にするな。善も悪もすべて取り込んで、しなやかに動け。そうやって蓄えた力で、いつか本物の悪を叩けばいい』と言い、それを屁理屈だと言う稲見に「そうかもしれん」と言いつつも『何もかも一気に変えることなど出来やしないんだ。目指す場所を見つけ、傷つきながらでも進むしかない』と、だから『どうする?俺についてくるか?』という鍛冶からの改めての問いかけであると、稲見にとってはそういうことになるわけだ。
その問いに稲見はどんな答えを出すのだろうか。金城一紀の名前がまだ裏があるのでは?という疑念を拭うことを許してくれないものの、鍛冶の言葉が稲見にとっての『灯台』になるといいな。
で、稲見に灯台を持てと言った田丸さんですが、稲見がハードな任務にあたってるというのにお前は人妻と何をしてんねんと。前回はおにぎり買いにパシられてるすきに逃げられ今回はゆり子に握られた手を解くだけと、稲見と比べて田丸の扱いひどくねえか?。
と思ったら、あっち側に行きそうになった稲見を『無言で』こちらに引き戻すという役割があって良かったよ・・・。4話で田丸が稲見に言った『大事なのはどこにいるかじゃなくて、側に誰がいるかだ』という言葉はここに繋がってたんだね。
ってのはそれとして、田丸は眞島さんを教団に潜入させたあと、毎月の給料?をあの教会でゆり子に手渡してるという関係だと理解してるんだけど、ゆり子は何も事情を知らないわけではなく夫が潜入捜査をしてることは分かってるのか。で、その夫がもう限界だ辞めたいと言ってるけど、夫が戻ってきたとしてももはやどう接していいのかわからない、と言って田丸の手を握ったと。それはつまりゆり子の気持ちは田丸にある、ということになるのでしょうが、毎月一度教会で並んで座ってほんの少しの時間話をするぐらいでそんなことになるか?と思うんだけど。田丸も間違いなくゆり子に恋愛感情抱いてるんだろうからそれを察知してその気になったってんなら女心としてなくはないと思うけど、ドラマとしては実は昔つきあってたとか、その手のネタがなんかないとこの状況はゆり子はもちろん田丸がゲスすぎるよなぁ。
しかし稲見がたかだか数週間かそこら潜入しただけなのに美味い飯をごちそうしてくれた“兄貴”の死にここまで引っ張られてしまうことを思うと、2年も潜入捜査してる眞島さんの精神状態が心配すぎる。