『宇宙戦隊 キュウレンジャー』Space.4「夢みるアンドロイド」

いくら毎回のお当番戦士がいるとしても(お当番の人を目立たせるとしても)、9人もいたらバトルシーン撮るの(アクション考えるの)大変だろうなーとか思ってたんだけど、まさかキューレットとやらで5人を選抜するとは(笑)。しかもなんで司令自ら歌って踊ってルーレット回してんの(笑)。ていうかタマタマキューキューの作詞が司令(という設定)であることに超納得できちゃったんですけど(笑)。
キュウレンジャーに変身して戦うためにはなんたらエナジーが必要で、そのなんたらエナジーには限りがあるから今のうちはまだセーブしつつ戦ったほうがいい(だから5人選抜)って、なんたらエナジーをまんま「予算」に置き換えてもなんら違和感ないんだけどものすごい直球設定考えたな(笑)。司令に「コスト」言わせてるし(笑)。
裏事情はどうあれ(笑)、でもこれなかなかいい設定かも。通常の3人なんし5人戦隊だとひとつのストーリーしか描けないところを現場と「おじさん」ことオリオン号内(ラプターの言う「おじさん」ってどういう意味よ!?)で2つの話を並行して描くことができるじゃん。今回で言えばラプターが8人目のキュウレンジャーであることを(となることを)ショウ・ロンポー司令が『知ってた』ことを『ナーガが知った』ことがそう。
ナーガは司令がラプターに「桃買ってきて」と言ってチキュウ送りだしたことを、ラプターもまたキュウレンジャーであり、キュウレンジャーとして“覚醒”させるためにしたことだと考え、「そういうことなのではないか?」と聞いたのに対し司令は答えをはぐらかした・・・ってなふうにわたしには見えたので、戦い後のシーンでナーガがそれを「知ってたくせに」と確定事項として語ってたのはちょっと違和感というかそう言い切っちゃうんだ??と思ったものの、ラッキーたちが知らない司令の貌をナーガが知ったというと大げさかもだけど、現場行ってるメンバーと残ったメンバーとの間で情報の蓄積量が違ってるってのは描きようによっては面白い要素になるんじゃないかなと、その可能性に期待したい。
でも今回は引っ掛かったところがひとつ。
チキュウではダイカーンの一人(チキュウにだけ「なぜか」プラネジュームを吸い取る装置がいっぱいぶっ刺さっててダイカーンもいっぱいいるという強引設定w)であるユメパックンによって子供たちは夢を食べられていると。食べられてしまった子供の夢は「お腹いっぱいご飯が食べたい」という切実すぎるもので、それだけチキュウは厳しい状況なのだと、ジャークマターに支配されるということはそういうことなのだと、この夢ひとつでそれが解るってのは悪くないと思ったんだけど、問題はそのあと。
お腹いっぱい食べたいという子供の夢を聞いたあとでカレーむしゃむしゃ食ってウマー!ってするヒーローってどうよ?。
つーか誰もがまともに食事をとれない状況だからこその「お腹いっぱいご飯が食べたい」という子供の夢なんだろうに、なんで普通に飲食店が営業してんだって。
宇宙人戦隊が地球(チキュウ)の「サファリ」という店でカレーを食べるというネタをやるのはいい。でもこの流れですることじゃなくない?。状況的におかしすぎるでしょ。
宇宙人だからチキュウ人がおかれてる状況も、その気持ち(苦しみ)もよくわかんないってな描写なのか?とか無理やり考えてみたけど、でもこいつ(ラッキー)ってば「夢を失くして生きるのなんて、死んでるのと同じ」とか言っちゃってんのよ?。お腹いっぱい食べたいという他人の夢を聞いた直後にカレーむしゃむしゃ食って腹一杯にした人間がそれ言う!?って話だろ。
これからチキュウで戦うことになるんだろうからカレー食べる機会なんてこの先いくらでもあるだろうに、なぜここで、なぜこの話でそんなことさせたのよ?と本気で問いたい。
戦うことを夢見るラプターと、パイロット兼秘書として造られたアンドロイドであるラプターは壊れたら取り返しがつかないから戦わせることなんてできない(安全なところにいるべきだ)というスパーダの言い分。それに対する最初から決めつけて戦わせないことは夢を奪っていることと同じだと、ジャークマターのやってることと同じだと、ラプターは戦えるって仲間の俺達が信じてやらなくてどうするというラッキーの説得はこれまでのイマイチよくわかんなかったソレと比べて説得力があってよかったのに(ラプターキュウレンジャーになったら即「背中は任せた」と言えちゃうスパーダの切り替えの早さも)、カレーのシーンで台無しだよ。
ノリと勢いで突っ走るのは結構だけど、そういう作品こそ整合性に対する気遣いが必要だと思うの。今のところすごく楽しんでるし、最後まで楽しみきりたいからこういう心無い描写はこれっきりにしてほしい。