『カルテット』第6話

これまで別府くんは九條さんとすずめちゃんは父親と家森さんは妻子との物語を描きながらもカルテットの中心にはマキさんがいて、三人からマキさんに向いてる矢印の意味・理由を描いてきたわけだけど、今回満を持してマキさんの、マキさんと夫さんとの物語となり、それについては独り身のわたしには見てることしかできないというか、小さい声の人同士の出会いから2年間の結婚生活、そして夫さんが失踪するまで、恋が始まって夫婦になって家族が生まれて恋が終わるその物語のそこここでいろいろと思ったり感じたりしながらも寒空の下凧をぼんやり見上げる夫さんではなく「幹生」に「ああ・・・・・・・・・・・・・・・」としか言えないよなぁ・・・・・・って。
マキさんと夫さんの話をマキさんは自分を疑う義母に夫さんは偶然出会ったすずめちゃんにそれぞれ“話して聞かせる”という形を取りながら真紀と幹生双方の視点からなる物語を同時に並行して描くという構成の妙に唸りつつ、どちらかと言えばではなく完全に夫さん側のわたしなので(結婚しても恋人みたいでいたいなんて甘っちょろいことは思いませんが、好きなひとにはめちゃめちゃ理想を押し付けそうじゃないところは見たくない(見たら嫌いになる)タイプのクソ人間です)自分で自分を追い詰めてる夫さんに同調しこれまでで一番胸の痛みを覚えつつもだから結婚なんてしないほうがいいって(結婚しないんじゃなくてできないんでしょってなことは思っても言わないであげるのが大人というものです)としか言えんわな今回は・・・とか思ってたらはあああああああああああああ!?なんだこの展開!??犯罪者二人でなにしてくれちゃってんだよオイ・・・・・・。なんかもうこれまでの話全部ひっくりかえされちゃった感なんですけど・・・・・・。
夫さんの不在という事実がまずあるとして、視聴者はこれまで“マキさんの話”しか聞いていなかったわけで、義母が疑っているように果たしてほんとうにマキさんは夫さんを殺したのか?という謎をすずめちゃんと共におそるおそる探り続けてきたものが、すずめちゃんの中にマキさんに対する「信頼」が生まれるとほぼ同時に視聴者もまた「マキさん殺してないでしょ」という確信に近いものを得たところで家森さんの「夫さんはマキさんに背中を押された(突き落とされた)」という発言が飛び出して、そしてその発言の真意が『夫さん自身の口から』明かされた。
マキさんは悪くない。マキさんはぜんぜん悪くなかった。
でもじゃあ悪いのは夫さんか?というとそういうわけでもないんだよね。
どっちが悪いとかじゃないんだけど、でもすれ違いは明らかで、どうしようもないすれ違いで、なんなら最初からすれ違ってて、すれ違いに気づきながらもすれ違ってないフリして、もしくはすれ違いを受け入れて、そうやって共に生活していくことができるならば40年先があるかもしれないけれど、幹生はそれに耐えられなかった。だから逃げた。そしてカルテットとして三人と共同生活を送っていることがその決断になにがしかの影響を及ぼしたのかどうか、それはまだわからないもののマキさんもまた離婚という道を選んだ。
それはもう仕方がないというしかないんじゃないかなと、繰り返しますがわたしは幹生側の人間であることもあって夫さんは夫さんで辛かったんだよなわかるよわかってやれよ!ってな気持ちになってたところでコンビニ強盗?は?こいつなに言ってんだと。靴にカラーボールぶつけられてるわけだからそういうことがあったんだろうってことは察してましたが、退職金全部もって大阪行ってそれなりに楽しかったけどお金がなくなったから助けてもらおうと嫁の居場所にやってきたところたまたま無人っぽかったんでコンビニのレジから金盗みましたって理由として考えられる限り最低で、しかもそれすずめちゃんに通報されそうになったから?って身柄拘束ってなんだこいつマジクソ野郎じゃねーかって同情が怒りに変わったと思ったら有朱がこっそり別荘にやってきてシメシメ顔で入り込みマキさんのヴァイオリンを抱いて愛おしげに頬ずりしてたら幹生と鉢合わせしてポーンって落下してぽっかーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん。
1話の唐揚げレモンがこんなことになるだなんて全く予想外の展開すぎて、もはやわたしの処理能力では追いつかない。
だってこの時家森さんは簡単で素早くだっけ?10万円稼げるお仕事として青いふぐりの猿を探してて(あの大きさのケージに青いふぐりの猿(ググったw)入るのかなぁ?・・・と面白いオチを期待してしまうわw)、別府くんは会社の倉庫に閉じ込められてるんですよ?。



しかしこのドラマって別に「結婚」がテーマってわけじゃないと思うんだろうけど、巻夫婦の話と家森さんと茶馬子の話、それから別府くんと九條さんの話と合せるとどう考えても結婚して生活を維持することって「無理」なんじゃないかとしか思えなくなるんだけと。
マキさんと幹生は大雑把に言ってしまえば「価値観の違い」だよね。でも価値観が同じだった別府くんと九條さんは結婚には至らなかった。
せめてマキさんと幹生の間に子供がいればと思いかけたけど、でも茶馬子曰く「子を鎹にした時点で夫婦は終わってる」わけで。
まぁ家森さんとこは「なんで三食ご飯食べるの?」とか言われてる時点でなんかもう子は鎹とかそういうことじゃない気がするけど(笑)、結婚ということに対してなんでこんな・・・八方塞がりみたいな話になってんのかと。