
- 作者: 秋吉理香子
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2016/11/10
- メディア: 単行本
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この手の話は汚い表現をすると腐るほど読んできましたが、『範子』というキャラクターがなかなかに凄まじく、高校時代の仲良しグループが一般人でも知ってるような大きな賞を受賞したノンフィクションライターになってたり、外国人の夫とともにインターナショナルスクールをいくつも経営してたり、実力派女優だったりと、社会的に見て華やかな成功者になってるとかなんだかなーって感じだし(残り一人はろくでもない男に引っ掛かって現在はシングルマザーであることでバランスを取ってるのでしょうが)、四人が四人とも同じタイミングで「今範子をこの世から消さなくては」ってな状況になってるとかさすがにどうよってか範子何人いんだよ(笑)ってな話なんだけど、そんなツッコミとかどうでもよくなるほど範子のキャラクター性が強かった。
そして四人の罪を暴いた娘の本心。自ら手を下さずに“おばさんたち”が母親を殺してくれたヤッター!だけでも厭な気持ちになるのに、人ひとり殺しても絶対正義から逃れられないとか絶望すぎる。
まぁ人殺ししたのに事故で処理されたと聞いて豪華料理食べまくってこれから祝杯あげに行こうとか言ってるわけで、そういう意味ではこの五人が“仲良しグループ”だってことが私としては一番の胸糞悪いポイントだったわけですが。