『嘘の戦争』第5話

予想通りヤスケン晃が30年前の事件に関わっていたという事実が明らかになりましたが、それを予想してたし期待もしてたけど今回の将棋の場面で「あれ?」と、ヤスケンをキャスティングしたわけだから晃も復讐対象と(視聴者に)思わせておいて実はほんとうに気はいいけどダメ人間ってだけなのか・・・?という気がほんのわずかとはいえ芽生えたところだったんで、やっぱりと思うと同時にややショックを受けてしまった。わりと思うツボ状態の自分に驚いた。
脚本ははっきりいってそんなに褒められるような出来ではないと思うのだけど、クサナギさんを筆頭に演者たちがいい感じでそれっぽい雰囲気を作ってくれているおかげで流れに乗れてる(乗せてくれてる)からだろう。
当初はターゲットに近づくための“駒”でしかなかった晃は駒として付き合っているにも関わらず一ノ瀬にとって友人になりかけていた、なりつつあったのではないかと思うのだけど、そんな相手が全ての元凶だったと知り一人キャッチボールする一ノ瀬すごい顔してたわぁ・・・。
そして一ノ瀬のそのすごい顔に説得力を持たせてるのがヤスケンが演じる晃という人物のほっとけない感じなんですよね。
で、晃はこれほんとに先輩に言われてナンパした女を先輩たちがコマしてる間見張りしてただけなんじゃないかな。思い出したときの様子からして先輩たちがやってたのがレイプだという認識はあったっぽいけどまさか強姦殺人なんてことになってるとは全く知らないのではないかと。であれば当然親がしたことも知る由もないよね。一ノ瀬は「知っていながら何もしないのは、一緒に殺したことと同じこと」だと言ったけど、晃が知らなかったのだとしたらその理論でいくと晃の罪ってどの程度になるのだろうか。とつい逃げ道を探しそうになったけど、でもダメなんだよね。だって晃は「すべての元凶」だから。晃が二科の息子であること。それがすべての始まりなのだから。
一ノ瀬に罪を突きつけられた瞬間、ヤスケンが演じる二科晃がどんな貌を見せるのかすごく楽しみ。
それから今回楓が父親との間に距離を作っている理由が明らかになった。楓が語る「友達の話」自体はこう言っちゃなんですがありがちだったものの『一家心中』というキーワードが引っ掛かる。このドラマの主人公は一家心中に偽装され殺された家族の“生き残り”なわけで、楓の友達家族にも“生き残り”がいる可能性が出てきたのではないか(心中の状況はわかりませんが)。楓が父を嫌う理由ってだけなら父が見捨てたせいで友達家族は夜逃げするしかなかったってな程度でもいいだろうに一家心中を被せてきたからにはそこからの展開があるのかな。
一度や二度呑んで投資の相談に乗ったぐらいじゃ自分を嵌めた男の恋人を名乗っていた女に「一緒に逃げて」と言われても信用できるはずがないわけで(まあ九島さん頭悪そうだったから若くて綺麗な女に私も騙されてたの!殺されちゃうから一緒に逃げて!とか言われたらその気になっちゃいそうではあったけどw)(平岳大はこういう役がほんっっっとにハマりますね!)、それに一ノ瀬に「離婚して子供作りたいと言ってるらしい」と告げ口された九島の愛人だって二人の間に“そういう雰囲気”を感じ取ったからこその反応であろうわけで、つまりハルカは九島と肉体関係を持ったってことだと思うのだけど、プロの詐欺師ならば身体だろうがなんだろうが使えるものは何でも使って当然だとしても今一ノ瀬がやってることは仕事ではなく復讐なわけで、だからハルカが九島に抱かれたのだとしたらそれは仕事としてではなく愛する男のためってことになるよね。そうまでしてるのに隆に顔バレしてしまったハルカがこれからどうするのかも気になるところ。