『嘘の戦争』第3話

ああ・・・これは辛いなぁ。六平さん演じる刑事の三輪さんも辛いけど一ノ瀬も辛いだろう。
一ノ瀬にとって「家族を殺されたこと」と「嘘つき扱いされたこと」ってのは一緒だけど一緒じゃないんじゃないかと思うの。家族を殺したやつらに復讐をすることと、自分を嘘つきに仕立て上げたやつらに復讐をすることは、一ノ瀬のなかで並列にあるんじゃないかなという気がする。家族が殺されたことは一ノ瀬の過去だけど、「嘘は嫌い」だという一ノ瀬にとって嘘つき扱いされたことってのは今現在も一ノ瀬の中に在り続けてるというか、千葉陽一から一ノ瀬浩一になった男の根幹にあるのがこの三輪が繰り返し言ったであろう「嘘をつくんじゃない」という発言(その記憶)なんじゃないかなと。
だから一ノ瀬にとって三輪への復讐ってのは家族のためではなく完全に「自分自身のための復讐」だったのだろう。
だから三輪さんがなぜ殺人を無理心中にする計画に加担したのか、その理由、そしてその結果を知った一ノ瀬は三輪さんを「赦した」のだろう。
三輪に強要された「嘘」に捕らわれ続けて生きてきた一ノ瀬が、三輪の「嘘」によって救われた。なんという皮肉な展開。
まぁ天才詐欺師だけに自分を疑ってる仁科隆がいずれこういう形で仕掛けてくるだろうと想定し(隆が三輪さんを訪ねてきたことを知ってるわけだし)、そこで三輪さんに自分の正体を気づかせておけば三輪さんの性格的に自分を庇うだろうと見越してた、つまり三輪さんが「嘘」をつくことまでぜんぶ一ノ瀬の計画だったのかもだけど(三輪さんに謝罪され、その謝罪を受け入れたことで心が揺れてるかと思いきや、追いかけてきた楓に隆兄さんを庇うことでさらにハートキャッチしてみせる手管を見るに冷静だったっぽいし)。
いずれにしても、今回のクサナギさんは表情が素晴らしかった。問答無用のクズを嵌めて追い詰めるよりも、今回の三輪さんのように痛みを伴う復讐のほうがクサナギさんの表情が映える気がする。
そんなわけでヤスケン長男不足になりつつあるんだけど、これはやっぱり実は長男が・・・展開ありえそうじゃない??。