冲方 丁『十二人の死にたい子どもたち』

十二人の死にたい子どもたち

十二人の死にたい子どもたち

安楽死をするために12人の若者たちが集まるが、会場となる部屋では既に一人の少年が死んでいた。その事実を前にして、計画を進めるか否か話し合うことに。
という物語で、既視感があるような気はするものの魅力的な設定なので楽しみにページを捲りましたが、捲るたびにどんどんと「なに言ってんだコイツら」という思いが増していき、少年の素性となぜそこにいるのかが明らかになるころにはもううんざりでしかなかった。12人という人数に意味があるのはわかるけど、会話劇にするにはちょっと多すぎるし、キャラクターも分かりやすい個性はあるけど“描き分け”としての個性でしかないから所謂キャラ萌えも出来ず、それに耐えた先にあった12人が出した結論、というか結果もそれが物語として妥当なとこだろうとは思うものの充実感には程遠く、でもアニメ化されたら多分見ちゃうんだろうな・・・。