『真田丸』第44回「築城」

いやあ・・・・・・・・・痺れた。アニメなんかではちょいちょい見かける演出なのでそこまで珍しいというわけではありませんが、「城の名は」「決まっておろう、真田丸よ」でOPに繋がったのには痺れたよね。言葉(台詞)と画と音楽の相乗効果、これぞ『ドラマ(映像作品)』の力よ。
青空の下ついに堂々御目見えした真田丸に真田の六文銭赤旗が次々と立ち上がるカットは身震いしたし、次回予告を挟み馬のいななきと共に赤備えの真田軍が「徳川家康 内野聖陽」に向かって駆けていくのには胸どころか身体が熱くなって涙ブワってなったし、OPがないことに「あれ?」と思いはしたのにまさかここで特殊OPというか特殊EDというか、そういう演出になるとはまったく予想できなかったからテンションブチあがったわー!。
真田幸村って大坂の陣まで特になんにもしてないよねってのが一般人の認識だと思うのだけど(わたしもそんな感じです)、そのイメージでいうならば大坂の陣以前の物語は前章のようなもので、つまりアバンなわけで、だから真田丸が完成しいよいよ大坂の陣が始まるこれからが本編だぜお前ら待たせたな!!ってな意図もあっての演出であるならば、そこにあるであろう「してやったり感」になんだか悔しい気持ちがありつつもこれはお見事と手放しで讃えざるを得ない。
と同時にようやく始まる本編は幸村さぞかしカッコいいだろうけど、ていうか予告にいた勝永カッコよすぎてギャーーーーーーーン!!ってなったけど、でもなんかもうここで終わっていい気分。ここからが面白いってのはわかってるんだけど、ここからが最高の見どころだってわかってるんだけど、それでも今回のラストが何もかもあまりにキマりすぎてて豊臣が勝つか徳川が勝つか、そこはもう視聴者の解釈にお任せしますってんでいい気分。今はね(笑)。
真田丸完成からのOPというラストシーン(変な表現w)の興奮でぱんぱんだけど、そこに至る過程も上手かった。策を出すも邪魔されて邪魔されて鬱屈ためるだけためたところで秀頼様から築城の許可が出てお前ら信じてるよって言われて3人がフルフル震えるところで小爆発して(秀頼様の背後で“やんのかコラ”し合ってる又兵衛と大野弟が脳筋可愛いw)、そんでもっての真田丸よ!でドカーーーーーーーーン!!!って感じだったもん。非常にあたまのわるい文章であることは自覚してますがw、でもわたしはそんな感じだった。基本見ているものを脳内でこねくり回すタイプなんだけど、今回は見たものをそのまんま受け止めて、受け止められてウッヒョオオオオオオオオオオ!!って感じだった。
信之パート以外。
前回お兄ちゃんまじキングオブお兄ちゃん!!!!!だったのに今回は完全に「妻をダシにして愛人をくどく男の図」でしかなくて、今回はみんなそれぞれよかっただけに(大蔵卿も有楽斎も憎さ1000%だとしても“敵役”としてはしっかり機能してるし、戦争を知らない世代相手に張り切りジジイの家康と正信はやっぱり憎めないし、からの「また真田(しゃなだ)か!」にはさすがにちょっと同情しちゃったしw)(ていうかお前が言うなってのはソレとして、有楽斎の「あの男の父親は裏切りに裏切りを重ねた生き残った男!そんな奴を信用できるか」ってな発言の説得力たるや・・・っ!これには全視聴者ぐうの音も出なかったであろうw)、前回「忘れそう、書き留めて」だった姉上でさえも素敵な偶然でもって徳川陣地に潜り込み見事使命を果たしてみせただけに、お兄ちゃんだけがダメ野郎でな・・・
前回兄ちゃんと共に最高の男気を見せた修理が「なんのことやら」とすっとぼけてくれたもんでやっぱりお前クズだったのか・・・と思いきや「すまん」と謝ったことでコイツ悪い奴じゃないんだよなーと確信させてくれたうえに、もしかしたら秀頼に大将としての覚悟キメさせるためにいったん母親と有楽斎の指示に従ったフリをしてたのかも・・・!?とすら思えるもんだから、余計に愛人を呼び寄せてデレデレし香の匂いをつけて帰ってきて嫁にバレるというお兄ちゃんのアホっぷりが目立ってしまってだな・・・・・・。
弟にはこれから一世一代生涯最高の見せ場が待っているのに対し兄はどう描かれるんだろうなーと思ってましたが、弟は日の本(国)を相手に大戦ぶちかますのに対し兄は愛人のことで嫁とバトルなんてことになるのかな・・・・・・お兄ちゃん・・・頑張れ・・・・・・・・・。
半蔵が代替わりしてるっての、それによって“代替わり”という要素が頭にあったおかげで「代替わりした出雲の阿国」という存在をすんなり受け入れられたわけで、それを下敷きにして姉上の陣入りと結びつけたのはすこぶる上手い展開だったと思う。
それから、大坂城の南に出城を作るってな案は実は又兵衛によるもので、又兵衛が資材を揃えたところへ信繁がやってきてそれを奪って勝手に作っちゃった(出城策を乗っ取った)ってな説もあると先週あたりにやってた真田丸番組で見たけど、わざわざそれを「真田丸」とつけた番組内でやるということはそのエピソードを使うんだろうけどどう描くのかなぁ?と思ってたら、“先”に提案し許可を得たのは又兵衛だけど作った出城で“どう戦う?”というその『策』でもって又兵衛を納得させその気にさせたうえで幸村が築城の権利を譲ってもらったという流れになってて、上手いことやるなーと。さらにそこで“昔馴染みのおやっさん”という存在に「あんたはきっと戻ってくると思ってた」と言わせたのもよかったし。
大助目線で明石や塙団右衛門らを改めて“変なオッサン”として見せたのもいいよねぇ。この先この場面がどう活かされるのか、きっと辛いだろうけどでも楽しみ。
これまでずっと自分の言うことには従ってきた息子に「牢人たちの力を借りねば勝てない。この城の主は私です」と真っ向から意見という名の指示を拒絶され、驚きの表情を見せつつも思わず微笑んでしまう淀殿は、寧様同様息子が可愛いだけの母親・・・ということなんだろうなぁ。これまでも、きっとこれからも。それが結果的に豊臣の滅亡を招いてるってのは、やっぱり因縁というか運命というか、そういうものを感じずにはいられない。
そして幸村(牢人たち)に「すまん」と謝ることができる修理さんを見て、三成に足りなかったのはコレなんだよなぁ・・・・・・と痛感せずにはいられなかったよね・・・。こういうことが出来てたらみっちゃんもう少し人望というものを得られていたかもしれないのにね・・・。
そしてそして、戦は嫌だといいながらも、身体は確実に老いながらも、それでもいざ戦となると生き生きしちゃう家康はやっぱり昌幸と“同じ種類の人間”なんだよなー。そんな殿を見て、こちらもまた老いたはずの正信が超嬉しそうってかおまえ身軽すぎだろww(秀忠の前とでは大違いw)だし、やっぱり家康と正信コンビはいいなー『敵』として最高だよなーと思うと同時に昌幸と出浦さんコンビを思い出し、ちょっと切なくなりました。
あー・・・・・・切ないと言えば大坂方には源次郎がいると聞いて即座に涙目で斜めになっちゃう景勝さんとその背後で目が死んでる直江様ですよ・・・。心中お察しします・・・・・・。