『Chef〜三ツ星の給食』第2話

給食調理員たちが仕事に対する姿勢はどうあれちゃんと「ルール」を守り毎日きっちり給食を作り上げていることと、子供たちが全員揃っておなじような反応してるってのは初回と同様なものの「美味しい」というものだったせいかそこまで安易な演出だとも思わなかったんで、初回よりはずいぶんと心穏やかに見ていられました。でもやっぱり面白くはない。
ルールを守って最高に美味しい給食を作るべく孤軍奮闘する姿も、久々に思う存分フランス料理を作ることができて嬉しそうな姿も、星野光子の料理に対する熱意、料理馬鹿っぷりは見ていて気持ちがよかったけど、「で?」って感じなんだよなぁ。
ていうか、三ツ星シェフとしての星野光子にとって最も大事なのは「プライド」であり、客に「最高に美味しい」と言わせることだってのはわかったけど、子供たちにたった1度「最高に美味しい」と言わせたらそれでいいのか?って話だと思うの。でもそれでいいってな話なんでしょ?。それで星野光子が満足して、そのときもまだ新店舗の話が有効かどうかはわからないけどフレンチのシェフに戻るってなことでいいわけだよね?。星野光子の腕を活かすべき場所はフランス料理の世界だし、子供たちの給食を毎日作ることではないんだもん。
となるとこれは、ガチガチのルールの中で言い方悪いけど手抜きをして時間内に給食を作ることだけしか考えてなかった、子供たちのために美味しい給食を作るという気持ちを持たなかった(忘れていたわけではなくエンケンさん以外は最初からそういう概念は持ってなかったんじゃないかな)調理員たちが、星野光子が来たことによって手間暇を惜しまず「美味しい給食」を作ろうと努力する話ということになると思うんだけど、でももう結果は出ちゃってるというか、『丁寧に下ごしらえ』すればいいと分かっちゃったじゃん。荒木が作った唐揚げつまみながら言ってたように美味しいものを作る(食べる)ために手間暇惜しんじゃダメだよねってわかってるわけで、それを子供たちのために仕事として出来るかどうかってなことだけだよね。
そこには当然勤務時間・労働条件という現実が立ちはだかるわけで、そこを創意工夫でなんとかするってな話ならお仕事モノとして見られるかもだけど、でも主人公である星野光子の目的はたった1度でいいから自分が作った給食を食べた子供たちに『最高に』美味しいと言わせることなので、勤務時間なんて関係ない。目的のためなら朝から一人で下ごしらえするのは“当然”のこと。
そう考えると、これは何を描こうとしてるドラマなの?と。1度限りの給食を作ろうとしてる料理人の話と毎日給食を作り続ける職員たちの話がかみ合ってないと思うんだけど。
ていうか、これが一番重要なことなんだけど、この話に孝太郎さんと豊原さんが絡む必要あんの?って話なんですよ。
西村和彦(こういう役上手いなw)が持ってきた話を孝太郎さんが潰すのかと思ったのにそんなことはなく(異業種が新規開業する店だから孝太郎さんの圧力は効かないということだよね?)、豊原さんは星野シェフのレシピを再現することでいっぱいいっぱいでそのうち潰れそうな気配ビンビンだったけど、だからといって孝太郎さんが星野光子を店に戻すことはありえないわけで(食中毒の責任を取って辞めさせたわけだからね)、この二人の扱いどうすんの?ってことなんですよ。
これを演じるのがわたしにとって特別じゃない俳優であればどうでもいいと言ってしまえるかもですが、孝太郎さんと豊原さんとなるとそうはいかない。
自分の店で食中毒なんてものを偽装したのはただ単に星野光子を辞めさせるためだけでなくフレンチ業界から抹殺してやろうという意図もあったわけだよね?。もっと言うと星野光子の実力は誰よりも孝太郎さんが理解してるんだろうから、他の店に移られたら少なからずの客を奪われることになるだろうってこともあるだろう。それなのに給食のおばちゃんという立場になってさえ相変わらず強気で傲慢なままで、さらにフレンチ業界に復帰するかもしれないってんでイラついてるんだろうけど、それ以上の何か、星野光子に対する敵意にそれ以外の理由・事情があるならちょっとずつでも見せろよと。
ってな感じで初回とはまた違うモヤモヤイライラが残る・・・。
ていうか豊原さんこれほんとにキャパオーバーでミスって食中毒出しちゃったりするんじゃなかろうか・・・・・・(弱る豊原さんは頗る見たい)。
ってのはそれとして、
あれ?孝太郎さんの部屋に金のサンドバッグなくない?と思ったらバックハンドでリモコンをピッてしたらずずずずっと自動で出てきて笑ったw。あんなものが常にある社長室も嫌だけどこんな装置がある社長室はもっと嫌だよw。闇の抱え方わかりやすすぎんだろw。