『Chef〜三ツ星の給食』

こういう天海姐さん大好きだけど、今回はなんかあんまりピンとこないかも。
天海祐希ありき」のドラマ作りをするにあたり、ポイントになるのは天海祐希がどんな役を演じるかではなく天海祐希の周りに誰を配置するか、だと思うのよね。天海姐さんはどんな役を演じようがどんな職業・属性を演じようが、よくもわるくも天海祐希です。もはやそういう存在になってる。そんな天海祐希を『よくも』にするも『わるくも』にするも、それは共演者との相性にかかってるとわたしは思っているのですが、いまのところ今回はそれが「わるくも」になりそうかなぁ・・・という感じ。
三ツ星レストランパートはよかったの。わたしが好きだからってことを差し引いても『孝太郎さんVS天海姐さん』『天海姐さんを慕う豊原さん』も思いのほかバランスいいなと思えたんだけど、給食センターパートのほうが見ててあんまり楽しくないんだよなぁ。
天海姐さんドラマに限らず主人公が舞台となる“新天地”に行ったらそこにいたのは変人ばかりでしたってのはド定番で、エンケンさん以下職員たちは「変人」やらせたら間違いないってなメンバーが揃ってるとは思う。巧い人たちばかりだからそれぞれ違う「変人」を演じてはいるけど、だけどその「変人」の・・・・・・なんだろう、種類?変態の種族?wが同じひとばかり集めちゃった感があるような。そのまんまでも充分変態のひとたちに変に盛った設定を演じさせることで却ってその個性を消してしまってるような、そんな感じがするかな。
ていうかさ、学校給食を作る場所は衛生管理完璧だって言ってんのに調理中に私用電話してんのは別問題として小窓をパカパカ開け閉めしてるのはなんなの?。つまみ食いせずにはいられないってなんなの?。それのどこが「完璧な衛生管理」なのかと。仕事はきっちりやってるのに現場の苦労も努力もなにもしらない三ツ星女がテレビで好き勝手言ってることに腹を立ててテレビ局にクレーム入れたってのが主人公がこの学校で給食を作ることになるキッカケだろうに、その「仕事」の部分がコレとか言ってることとやってることが違いすぎて。
エンケンさん以下給食室メンバーは人格的には破綻してる奴ばかりだけど給食室に入ったらビシっとなるってな設定のほうがよかったんじゃないかなぁ。乱雑な控室(準備室)では電話しっぱなし(女に便利に使われまくり)だったりギャンブルしてたりなんか食べてたりぶつぶつ言ってたりしてるんだけど、完璧な衛生管理がなされた(それはエンケンさんたちが日々そうしてる)給食室に入るやいなやプロの顔になるってな感じで。三ツ星レストランのシェフもプロだけど給食調理員もまたプロであり、プロとプロのプライドとエゴをぶつけ合いつつ子供たちのための最高に美味しい給食を作るってな感じのほうがよかったような。
でもその「子供たち」の描写もひどかった・・・。検食した校長先生は「最高に美味しい」って言ってたしソース味見したエンケンさんも「!!」ってな表情してたから美味しいことは美味しいんだと思うの。でも子供の味覚には合わなかったってことなんだろうけど、あんなふうに全員が全員「まっず!!!」とか言う演出は安易すぎるよ。自分の料理に自信を持ちすぎてる主人公をまずは全否定するために、それをわかりやすくするための云わばデフォルメした演出ってなことかもだけど、反応が過剰すぎて逆効果だと思う。このクソガキどもに美味しいと言わせて完食させてやれ!というよりも、こんな子供たちのために主人公が頑張って給食作る必要なくない?と思えちゃうもん。
敵役・孝太郎さんは勿論、天海姐さんを裏切った豊原さんがこれからどんな役割を担うのか、そこはすっごく気になるので引き続き見るけど、期待度はもはやゼロに近い・・・。