津原 泰水『ヒッキーヒッキーシェイク』

ヒッキーヒッキーシェイク

ヒッキーヒッキーシェイク

天性の詐欺師の男がいて、その男には問題がある弟がいて、その弟のために臨床心理士の資格を取った男はカウンセリングを受け持つ引きこもりの若者の中から特別な能力を持つと見込んだ者をスカウトし、自らが立てた計画に引き入れる。
という話でいいのかなぁ?。なんか何が主題なのか主軸なのかよく分からなかったんだけど、それでも面白かった。それぞれ問題を抱えてて、自分自身でその問題を囲い込んでて、それで世の中と上手く折り合いがつかなくて自分だけの世界に閉じこもってる人間たちが誰かに必要とされ認められることで殻を破る・・・的な、そんなよくある話なんだけど、引きこもりたちを率いる「竺原(JJ)」という男が変な人間で、この人に対する「変」という印象がそのまんまこの物語に対する印象で、そこに何か意味があるのかなーと、「変」という印象が最後にひっくり返るんじゃないかなーと、そんなことを期待しつつ読み進めたけど最後まで「変」なまんまで終わってしまった。でもなんかそれが面白かったです。