福田 和代『緑衣のメトセラ』

緑衣のメトセラ

緑衣のメトセラ

アウトブレイクもの(好物なんです)だと思って読んだらなんだかよくわからない着地点についていた。
介護が必要な母親を抱える三十路の女性フリーライターが主人公で、その境遇の使い方、そんな状況だからこそこういう展開になってしまうというところにはそれなりの説得力がありますが、起承転結でいう「結」が文字通りの放り投げで、そこで現実と虚構のバランスが完全に虚構に傾いてしまったのが残念。