平山 瑞穂『バタフライ』

バタフライ

バタフライ

帯にですね、素敵な文章とともに「羽田圭介氏(芥川賞作家)」とありましてですね、平山さんの帯文を羽田圭介が書いている!!!知名度!!!
と書店で感極まったのは私です。
そして読み終わってみると

「僕達の行動は、きっと誰かに影響を与える。そのことに気づかされる、普遍的小説」

という羽田圭介の言葉に深く頷かされました。
って、私はなんの感想を書いているんだ(笑)。

タイトルの「バタフライ」はバタフライ効果からくることは表紙をめくった扉に書かれた一文によって示されているので、だから次々と登場する視点人物たちの物語がのちに誰の物語にどんな影響を及ぼすのか、それを楽しむ作品であることは明らかなんだけど、それぞれの物語が最終的にひとつになるのではなく、あちこちで小さなバタフライ効果が起きているという構図で、そしてそれはたった一日の間の出来事であり物語である・・・という趣向。
あちこちで「小さな」バタフライ効果が、と書きましたが、小さくないものもあるんですよ。マジかー!?と思う展開もあったりします。
人生が終わっちゃったひとがいて、人生最大の事件を起こしちゃったひとがいたりする一方で(特に前者は結構衝撃展開で、それに関わる中学生の描写を含め、こういうネタをさらっと織り込むところが平山さんだなーと)、前向きになったりちょっといい気分になったりしてるひとがいて、そして恋の予感があったりする。それは全部たった一日の物語。
こういう日がこれまでもこれからもずっと続いていくのだろう。それを「きっと」という言葉を使い、「普遍的」と表現する羽田さんが好き。だからなんの感想ですか(笑)。