『真田丸』第12回「人質」

いきなりきりが「身の程はわきまえてますから」とかどの口が言ってんだ?ア?ってなことを言うし、梅は妊娠したってのは嘘かも?とか言うし(信繁のことを「三人で待ってる」と言った時点では妊娠してなかったんだけど、きりに「これも策だ」と言ったこの時点では妊娠してる確証があったってことなのか?。だったら梅はわたしが思ってるよりももっとしたたかってことになるし、ほんとに妊娠してたし徴候もわかってたけどきりがウザいから意地悪してやったってことならそれはそれで性格悪いなってことになるしw)、景勝が口だけのカッコつけ野郎扱いされてるし、ていうかそういう描き方をする作品だとはわかっちゃいるけど小牧・長久手の戦いがナレーションで終わってしまったってんで今回はダメ回かなーと思ったら、おもったら!!
なんだこの直江さんクソ萌え祭り!!!!!
まずね、お屋形様の悪口言ったヤツを「斬り捨てますか」と当たり前の顔して言う兼続さんね。
もうこれ言い慣れてるんだろうね。お屋形様がこういう人だからこんなことは日常茶飯事で、そのたびに「斬り捨てますか」って言ってるんだろうね。
そんで信繁とお出かけして帰ってきたらお屋形様がちょっと変わっていたらしく、


兼続「そなたが何を吹き込んだのか知らんが、このところお屋形様は領民のことを気に掛ける。民たちの揉め事の仲裁に大忙しじゃ」
信繁「何よりです」
兼続「おかげで儂の仕事がふえた」


ってこれ。この「仕事がふえた」っての、「仕事がふーえーたー」みたいなスネ口調で言う兼続さんちょっと可愛い。


信繁「申し訳ないことでございます・・・」
兼続「お屋形様に言われてしまった。真田の事そろそろ許してやってもよいのではと」
(目を見開く信繁)
兼続「・・・ずいぶんと、気に入られたもんだな」


そんでこの「ずいぶんと気に入られたもんだな」の前にある「・・・」この間に複雑な感情がチラ見えしていいわーとてもいいわー。
多分さ、お屋形様が「カッコつけ」しいなところは好ましいと思ってると思うんだよね。生い立ちとか立場的なこととかもあるし、「カッコつけたい」という気持ちは理解してると思うのよ。でも常にカッコよくあろうとしてるお屋形様はいいけど実際のところは結果が伴ってないわけで、話を「聞くだけ」なわけで、それは兼続も認めるところなわけで、だから家臣があの人カッコだけだからとか言ってても「斬り捨てますか」と日常的な感じで言うしかなくて、そんな現状を歯がゆく思ってるところはあったんじゃないかと思うの。それを真田の二男が変えてくれた。儂の仕事がふえたってことは結局兼続に丸投げしてるんだろうけどw、それでも今までは「話を聞く」だったところが「話を聞いてなんとかしようと思って自分に投げる」ようになったわけで、兼続さんのことだから投げられたものはしっかり処理するんだろうから領民的にはお屋形様ありがとうございます!!ってなことになるわけで、それは兼続にとって嬉しいことだよね、きっと。でもそれが人質としてやってきたばかりの真田の二男キッカケで・・・ってのはやっぱりちょっと面白くないんだと思うの。嫉妬しちゃうと思うの。それが「・・・」ここに現れてた。


そしてこのツンデレ!!


兼続「徳川と真田の戦が始まる。真田と手を結んだ以上、すぐにでも援軍を出したいところだが、当家には無理だということはお分かりのはず」
信繁「はい」
景勝「なんとかならぬか?」
兼続「なりません」
景勝「必ず援軍を出すと約束したのだ」
信繁「お気持ちは充分伝わっておりますので」
景勝「儂は決して真田を見捨てぬと約束をした。儂は真田を助けねば!」
兼続「・・・そう仰ると思い、領内から取り急ぎ戦える者をかき集めました。屈強な者達はとうに出払っておりますが、それでもなんとか百名程集まりました」
(バカ笑顔になる景勝(笑))
景勝「さすが兼続、好い奴」
兼続「海津城に入るように命じてある」
信繁「海津城?」
兼続「そのほうが上田に近い」
信繁「お屋形様、甘えついでにもう一つだけお願いしたいことがございます」
景勝「申してみよ」
信繁「私と三十郎を、その百名に加えてはいただけませんか」
兼続「調子に乗るな」
信繁「真田の行く末が掛かったこの戦、どうしても加わりたいのです」
兼続「戦のために人質を返すなど、聞いたことがないわ!」
景勝「許そう」
兼続「おやかたさま!?」


最初は「なんともなりません」と冷徹に言ってたのが、お屋形様にウルウル目で真田を助けたいと言われると「そう仰ると思い百名集めました」って発言だけでもツンデレのお手本なのに、言い方が見事すぎた。
「かき集めまし たっ」って、「し」と「た」のあいだに絶妙な間があるうえに「た」のうしろにちっちゃい「っ」がくっついてるとかなんなのこのツンデレ大爆発!!!。
そして甘えついでに戦に行きたいという信繁に「聞ぃーたことがないわ!」と声裏返らせてツッコむ兼続さん。
そして許しちゃうお屋形様に「おやかたさまっ!?」って向けた顔ww。
もうなにもかもが可愛すぎるこの兼続。だってこれであたまに「愛」くっつけてんだぜ?w。どんだけ萌えキャラなんだよw。
もちろんこの魅力はこの景勝さんあってのことなわけで、お屋形様のカッコつけを全力で支える兼続さんだからこそこんなにも素敵なわけで、なんだよ上杉最高じゃねーか。
(ていうか景勝さんってば結構な美少年好きらしいので、信繁に「もう一度会いたかった」だの「そなたのことが忘れられなかった」だの熱く語る景勝さんにちょっと・・・お、おう^^ってなったよねw)
(あと景勝さんまだ20代なのに、儂にもお主のような息子がいたらなーとかもう子供を持てないようなことを言うので、もう子作りする気はない(女に興味ない)ってことでいいですかね?^^)。


これさ、このときめきの宝庫である上杉をちゃんと『主人公の目を通して』描いてるから面白いんだよね。まぁ主人公の目とか全く関係なくても面白い徳川という存在があるので全部が全部そうだとは言いませんが、上杉に関しては、今回の景勝と兼続さんの全ては、真田信繁の存在あってこそのものだってのがいいなと思う。
そしてもちろんその向こうには景勝と兼続の「これまで」がしっかりと見えること。これ大事。


お奉行相手に鉄火起請やろう!と言い出し何やら呪文のようなものを唱え始めた信繁を「(支度が)整いました」としっかりアシストする三十郎もよかったし、徳川との兵力の差は歴然だがどうする!?会議で「討ってでる!!」と相変わらず誰よりも血の気の多い矢沢の大叔父上でなによりですw