『ちかえもん』第3話

なんかもう、なんかもう、面白すぎて怖くなってきた。
1.2話は総合力の勝利というか、どこがどうというよりもどこもかしこも全部面白いといういい意味でザックリとした面白さだったんだけど、今回は「話」が面白かった。面白すぎた。
ネタに困ったちかえもん赤穂義士の話を浄瑠璃にしようと思いつく。でも書けない(脳内赤穂義士がなかなか討ち入りしてくれない)。
一方で大阪一=日本一の豪商である平野屋の跡継ぎであるアホボン徳兵衛は万吉に乗せられて不幸糖売り。
このふたつの物語がどうなるのかと思いきや、あれよあれよという間に一つになって最終的にはめっちゃいい話になってて、立場的にどうするつもりなのかと思ってたアホボンは手代からやり直せってことになって、さらに黒田屋はなんと赤穂義士の生き残りだった・・・って、この話の転がしっぷりの見事さに思わず震えたわ。ハチャメチャに見えてそうじゃないんだよね。ちゃんと筋道つけてるし、ついてるし、だからなるほど、そう持っていくかーと思える。そこが面白い。
超大店の跡取りとしての自分の未来が不安で、自信がなくて、怖くて、そこから逃げ出したいけどそんな度胸はなくて・・・ってな気持ちのやり場がなくての放蕩三昧なんだろうなーってのは想像できるものの、でも丁稚の子供らに対するアホボンの言動には心底ムカついたわけで、この発言を(物語の中で)どうフォローするのかと思ったら、まさか自分の稼いだ金で饅頭買ってやるつもりだったとかー!!なんだこいつツンデレかよ!!。
ていうか「今日の商いは楽しかったか?」と聞く番頭さんの優しさよ!!!。
平野屋を偵察に来た万吉に煽られて「ワシは平野屋の跡継ぎだぞ」というアホな言い返ししかできないことや、店の前で不幸糖なんてものをたった1つ売ったくらいで勝ち誇ってるアホボンを見る平野屋奉公人たちは、徳兵衛に対してあまりいい感情を抱いてないと思ってたんですよね。でも、少なくとも番頭さんは徳兵衛の気持ちをわかってくれてた。見守ってくれてた。今回一番グッときたのはココでした。
別の意味でグッと来たのはちかえもんが平野屋について万吉に教えてる場面の画でしたが。見事すぎる一徳であった(笑)。
あと替え歌(今回のは秀逸すぎw。世界観と曲調と歌詞が見事にハマリすぎてて、あまりもハマりすぎていたために笑えなかったw)からの客カウントからの義太夫有起哉の流れ(笑)。これ曲(のセレクト)といい間といい演出効果といい、そして客を見送って振り向いた有起哉の顔といい最高。
そしてそして、なんといっても『茂山家による忠臣蔵』ですよ。なんと贅沢というか恐れ多いというか・・・・・・この設定この演出で茂山家の皆様に忠臣蔵やらせようと考えた方も、ていうか受けた方も・・・・・・・ちょっとどうかしてるよね?(笑)。
でも実際に観てみたらこれほどハマる&キマる人たちもいないわけで、こういうところひとつとってもこのドラマの素晴らしさであり素敵さがよっくわかる。