『真田丸』第1回「船出」

真田家パートは思ってた(覚悟してた)以上にコメディ色が強いというか、どこがどうと具体的に提示できるわけではないのだけど4.5回程「フジテレビっぽいな・・・」と思ってしまった瞬間があったりしたわけですが、観終るころにはしっかりと「大河観てる感」でいっぱいでした。
その理由は平岳大演じる武田勝頼にある。
切ねえ!切なすぎるこの殿様・・・っ!!。
終盤怒涛の勢いで押し寄せてきた、いやもう押しつぶされそうになるほどのこの悲壮感、この悲哀。
次々と家臣に裏切られ、道中ですら次々と離反者が出て残った者は百人も居ない中でようやっと目的の城に辿りつくかと思ったら目の前で真田の進言を退け選んだ小山田の裏切りを文字通り見せつけられて、戻るべき城もなくなってしまった勝頼の哀愁と諦念に思わず泣きそうになった。国を捨てられずに選んだ末が行き場のない現実ってさぁ・・・関の木戸がショボすぎるのがまたより一層絶望を煽る・・・。
優しいし人格者なんだろうけど、それじゃあこの時代で殿様やっていけないんだよということを1話から突きつけられました。
・・・って、これをより効果的に見せるための前半の全力コメディだったんですよ・・・・・・ね?(おそるおそる)。
真田兄弟の将棋シーンが象徴的だと思ったんだけど、これ『実直で生真面目なお兄ちゃん大泉洋』と『寝そべって足をばたばたさせる末っ子堺雅人』を全面に出しつつも(このときの堺さんが「15歳」であることよりも高木渉演じる義兄もまた「15歳」であるという衝撃の事実には触れない方向でw)実は「兄上の将棋はつまらない」と言われつつもしっかり「勝つ」のは兄であるという兄弟の未来を暗示させる意図があったんですよね?。そこからの単身勝頼を見送りながら頭を下げる信繁の『義』をより印象づけるためなんですよね??。信繁の中にはこの時の勝頼の姿がずっとずっとあり続けるという、この記憶があるからこそ最後まで大阪城を、豊臣を見捨てず戦い続けるんだというこの作品の根幹になるのであろうこのシーンのため、そのためのコメディ通り越してコントだろこれ(笑)なんですよね???。
だって「俺がいるから武田は大丈夫」っつった次の瞬間「武田は滅びるぞ」とか
浅間山が噴火でもしないかぎり武田は安泰」っつった次の瞬間浅間山が噴火してて口あんぐりとか
草刈正雄の昌幸がひどすぎる(笑)。息子にフォローさせんな(笑)。
堺さんと大泉が若さと青さを出そうと全力で顔芸頑張ってんのに渋い顔で全部持ってく昌幸トーチャンずるすぎんだろ(笑)。こんなの誰も勝てねーよ(笑)。


でももう勝頼さんの出番ほぼほぼないですよ・・・・・・ね?。


とか思ってたらラストにやばそげなオッサンたちがいたーーーーーーーーー!!!。
内野家康と鋼太郎信長は実際に動いてからが本番だとして、高島弟の氏政はこのワンカットだけでこいつやべえ感が凄まじいw。
このカットでいきなり味噌汁ぶっかけごはんを食べさせたということは(そのエピソードを拾ったということは)、これは確実に“そういう描き方”をしますよ、という宣言ですよね。だって息子が細田善彦くんですもんね。期待に胸が震えるわっ!!。