真梨 幸子『アルテーミスの采配』

アルテーミスの采配

アルテーミスの采配

AV女優本を出版する企画に誘われたフリーライターの名賀尻。用意された5人のAV女優にインタビューを行うが、その女優たちが次々と殺される。容疑者となった名賀尻はインタビュー内容を渡すことを条件にホソノと呼ばれる男によって匿われるが・・・という話。前半はインタビューの様子、つまりAV女優たちの語りが主でして、エゴとエロと自意識満載の“いつもの真梨小説”なんですよ。ああ、いつもの真梨さんだなーって思いながら読んでたんだけど、まず一人が殺されたかと思ったらあっという間に“いつもの真梨さん”を見失い、気が付いたら新堂冬樹になっていた・・・・・・・。
新堂小説が圧倒的な暴力ならば真梨さんのこれは圧倒的な策略というか、そういう違いはあるのだけれど、質(作品の質という意味ではなく物語の根っこという意味で)は同じ。
その上で、新堂小説はどれだけ残虐で陰惨な復讐でもどこか笑える(笑ってしまえる)のに対し、真梨小説は嫌悪とか苛立ちしか感じないってのはなかなか興味深いところ。