水生 大海『消えない夏に僕らはいる』

消えない夏に僕らはいる (新潮文庫nex)

消えない夏に僕らはいる (新潮文庫nex)

読んでる最中はぜんぜんそんな感じはしなかったんで、あとがきに「戦隊」の文字があって驚いた。5人の少年少女がメインで、それぞれを戦隊カラーに当て嵌めるとしたら・・・ってな内容なんで、まぁキャラクター造形においてそういう要素も込めてあるといった程度のようですが、“主人公”の5人よりも(高校時代の)クラスメイトの女子、それから担任教師のほうがその言動やら心情やら興味深いんですよ。女の内面、女同士の関係性のほうが読み応えがある。5人の間でもそう。面白いのは女子間の探り合いであり距離感。だからそこに焦点を合わせた作品が読んでみたい。