ジェフリー・ディーヴァー『ゴースト・スナイパー』

ゴースト・スナイパー

このシリーズが人気である理由の一つに「敵の魅力」というものがあると思うのだけど、今回はちょっと特殊というか、個々人を相手にしつつもその背後にある権力、もっといえば国が相手になるので、その点では魅力に欠けると言わざるを得ないかなー。敵が敵だけにこういう結末になるしかないにしても、「勝利感」はそんなにないし。
でもシリーズとしては大きな展開があった。不屈の闘志で回復への道を突き進んでいたライムに訪れた変化。ライムの勧めで長年苦しんできた膝と腰の痛みから解放されるべく手術を受けたサックス含め、この変化が今後のシリーズ展開にどう影響するのだろうか。