『花燃ゆ』第5回「志の果て」

わたし寡聞にして小田村伊之助という人物をほとんど知らなかった(現時点でもあまり知らない)のですが、桂さんを「桂」と呼び捨てにできるような人物なんですね。
と驚きつつ、飲み屋で差し向かいで呑むたかおとおヒガシ様の図にはなんかこう・・・圧倒されました。これがオーラというものかと。
正直おヒガシ様の桂さんには期待してなかったんだけど、伊之助に目配せされて「逃げの小五郎」っぷりを早速みせるのかと思いきや突きぶちこむとか颯爽としていて見るからにカッコいい桂さんで、これはこれでアリだわ。
それから博太郎の富永有隣な!。「生きて 腐って 呪え」なんて台詞をこうまでカッコよく言えちゃう博太郎ってばなんて素敵なのっ!!。
富永先生と寅次郎のやりとりは内容(言ってること)演技ともに初回のリレー演説に匹敵するほど漲りましたが(人の本性とは善だ!と寅次郎おまえが言うなwwwとは思いましたがw)、いやあ、博太郎のこの劇画チックな感じたまらんわー!。
この富永先生に加え来週からいよいよ高須クリニック久子が本格登場し、さらに品川さんがいて、その周りを村松さんや日野さん、そして田中要次さんという名脇役たちがしっかりと固める野山獄パートはかなり面白そう!。
・・・なんだけど、ちょいちょい文が顔だして偉そうに説教するんだろうね・・・・・・・・・。
今回の金子くんの死をうけての寅兄への説教は真央ちゃんの熱演でなんとか聞けるものにはなってたけど、でもこれ実際には12歳の小娘なわけでしょう?。そんな小娘の説教で泣く松陰先生とかさー・・・。
いや、こういう松陰先生、大局を見る目は素晴らしいのに金子くんという大切な人間のことにはまったく気が回らないダメ兄ちゃんな寅次郎ってのは吉田松陰の描き方としてアリだと思うんだ。だけど初対面の印象って強いじゃん?それと同じで初回のあのカッコいい寅兄ってのがまだ頭の中にあるわけですよ。今回だって富永先生とこれだけのやりとりをしたというのに単なる感情論でしかない妹の言葉で泣くとかブレすぎじゃないですかね?。しかも金子くんが死んでこんだけ嘆いてるってのに次の回でエロい女囚とロマンスすんだぜ?。まぁ情緒不安定と言えばそれまでだけど。
つーか前回の感想でも散々文句書いたけど、やっぱり檀ふみの母親が不気味すぎんだけど。
金子くんの母親を演じた麻生さんが非常に気持ちの伝わる熱演だっただけに(弟子は取らない主義の松陰先生が金子くんを初めての弟子にした経緯、金子くんと松陰先生との間にあるものなんかは全く描かれていないのに、それでも母の嘆きを通じて「染物屋の息子」であった金子くんが獄中死を迎えることに言葉ではなく感情として哀しみが見えて、どれだけいい息子であり弟子だったんだろうなーって思えたよね)(だからと言ってそれを一方的に文が説教するってのはねーわってか、文の説教に全く同意できないのが問題じゃないかと)、かたや毎日息子に会いに獄通いしてるってのにかたや全てを12歳の娘(妹)任せで自分は微笑してるだけってなんなのこの人?(まぁ獄中で病にかかった息子に会うのに「怖いから一緒に来て」と12歳の少女(まったくの他人)を引っ張り込む金子母もちょっとどうなの?って話ですが)。息子のせいで獄に入れられさらに獄中死しかけてる人とその母親の対応を「吉田寅次郎の妹であるあなたが聞かなくてどうするのです」とか言ってたけどさ、確かに兄の代わりに目と耳となるとは言ったけど、でも繰り返すけど12の少女ですよ?。そんな子供にキツイ役目を与え、それゆえに号泣する娘を薄ら笑いで抱きしめながらキメ台詞の「世話ない」ってさぁ・・・本来ならば親であるお前が金子母子の言葉を受け止めるべきだろうになんなの?ってこれちょっと本気で気味が悪いです。