成瀬くんにでも西崎さんにでも安藤にでもなく、杉下が「死ぬのが怖い」「この世界からいなくなるのが怖い」と本音を言って泣ける(泣かせてくれる)相手がまさかまさかのカーチャンとはねぇ。
のぞみちゃんのぞみちゃんって叫びながらバスを追う母親はやっぱり鬼気迫って見えて、ニュアンスは以前とは全然違うもののやっぱり怖くて、だから根っこは変わってないのかなってその瞬間は思ったんだけど、娘のあんな話を受け止められる強さを持つ『親』になっていて、母親の10年間に俄然興味が涌くわ(ていうかカーチャン細すぎで、でも余命わずかな末期がん患者ってこれぐらい痩せちゃうんじゃないかなーなんて思ったり。他意はないですってば!w)。
ていうかあの可愛かった弟が子持ちになってるとは・・・・・・っ!!(わりとショックw)。
あとハワイに移住するというクソ親父(とその愛人)は“短命”が娘に隔世遺伝したことを知って苦しめばいい!。
・・・・・・苦しまないだろうなぁアイツ。
西崎さんは「罪の共有」をしたことで母親を見殺しにした過去を乗り越え前を向き、
つまらない嫉妬が起こした意味を誰からも教えてもらえなかった安藤は杉下に完全に振られたことで前を向き、
成瀬くんはようやく杉下をそっと抱きしめることができた。
壮絶な勘違いで大切な友人達を巻き込んだ西崎さんの愚かさとか、「かけてこい、杉下!」なんて言っちゃってる安藤の間抜けさとか、杉下の気持ちが誰にあるのか解ったうえで杉下のために沈黙を選んだ成瀬くんの健気さとか、ていうかほんとここぞってところで恐ろしい手段に出るよね・・・な杉下とか、いろいろあったけどさ、いろいろあったからこそ彼らは前を向くことができたんだよね。
たとえこの先、それもほんのちょっと先には哀しいことが待ってるんだとしても、いろいろあった彼らがこういう時間を迎えられてよかった。
そうそう、いろいろあったけどと言えばそもそもの発端である最初のN作戦がなければ三人が野口夫妻と接点を持つこともなかったわけで、そう考えると野原のおじいちゃんも切ないよなぁ・・・って思ってたんだけど(さらに杉下たちが介入しなければ共依存であれ野口夫妻はそれなりにうまくやっていけてたのではないかと思うと『運命』なんて言葉が浮かんでしまうのだけれど)、でも野ばら荘を守るという共通の目的があったからこそ三人はこんなにも近しい間柄になったわけで、野原のおじいちゃんはそんなつもりで言ったんじゃないかもしれないけれど、「二人が友達でよかったね」ってのは西崎さんだけでなく安藤にも杉下にも言えることだよね。このおじいちゃんの言葉は救い。野原のおじいちゃんもまた杉下に「人生をくれた」んだよね。
いい最終回じゃなくていいドラマだった。記憶にないほどなにも残らなかった原作を絶妙のタイミングで流れる挿入歌をはじめ“雰囲気”で丁寧に幾重にも包みよくここまで仕立て上げてくれたと思うわ。
そしてコイデップンと窪田くんと賀来くんをこうまで魅力的に見せてくれたこと。三人が三人とも西崎として成瀬くんとして安藤として生きていたこと。これはどれだけ感謝してもしきれません。
いい時間を過ごせたなー。ドラマってこういうものだよね。