早見 和真『イノセント・デイズ』

イノセント・デイズ

イノセント・デイズ

一人の女の人生を多角的(多視点)に描きつつ、女に関わった人間たちの過去と現在も合わせて描くという作品なのですが、女死刑囚であることを始め切り口が独特なんですよね。だからこんなミ○チルの曲にありそうなタイトルなどではなくそれをもっと前面に出したそれっぽいもののほうがいいんじゃないかなーと思いながら読み進めていたのですが、作中でズバリ「イノセント」という言葉が出た瞬間このタイトルであることの意味がスパアアアッと理解できた。「ストン」とではなく「スパアアアッ」って表現したい感じ。そのうえでのこの結末。これはハッピーエンドと言っていい・・・・・・のかなぁ。でも最後の最後で(読者に対して)明らかになった真実が、この物語に続きがあるのだとしたらどこまで明かされることになるのか、それによって関わりのある人たちがこの先どんな人生を送るのだろうかと思うと真逆の結末であるわけで・・・。