麻耶 雄嵩『さよなら神様』

さよなら神様

さよなら神様

もおーエグイよおおおおおおおおお!友達と探偵団作ってる小学生が主人公でクラスには「神様」と呼ばれる美少年の転校生がいるってな話なのになんで毎回殺人事件起きてんだよおおおおおおおお!。
この「神様」は全知全能を自称してるんだけど、クラスのマドンナのリコーダー紛失事件の犯人を当ててみせたってところまではよかったし、その後遠足の道中トラックが突っ込んできてあわや大惨事になるってな状況を神様のおかげで回避できた(神様が遠足列を誘導して空白をつくりそこへトラックが突っ込んだ)ってのも“遠足”という単語のせいで“それっぽい”ところでとどまってるのに、少年探偵団が扱う『事件』が全て殺人で、主人公が神様に尋ねた「犯人」の名前は全部主人公の身近な人間(友人の親であったり担任教師であったり)ってどんな凶悪な環境なんだよと思ってたらそのうち探偵団のメンバー、つまり小学生が殺されたり殺したりってな話になって、なんなのこれ・・・って思ってたら『主人公の事件』の真相がもうね・・・・・・最後の最後でハートマークついてるのを見た瞬間の脱力感なのか絶望なのか、なんともいえないこの気分ったら・・・。まやゆのこういうところだいすき。
死の裏には(恋愛感情を含め)『性』があって、それは人間が人間を殺す動機として普遍であり不変であって、小学生だろうが人間だからそれに当て嵌らないわけがないし当て嵌めちゃいけないわけがない。
そして満たされているときは神様になんて頼る必要がないわけで、人間ってほんと身勝手な生き物ですよねと。