『仮面ライダー鎧武』最終話「変身!そして未来へ」

主人公が新しい星の神となるべく宇宙の彼方へ飛んでいきライバルは死亡という終わりを迎え、残す1話をどうするのかと思ったら、映画のキャラ出してきて初瀬ちゃんのことを一人だけ知らない城乃内のフォローと、そしてミッチの救済話でしたと。
繰り返すけど地球を救った主人公は新しい世界を創るためにヒロインとともに地球を離れたわけで、彼らの物語はこれからもまだまだ続くもののとりあえず地球上の話としては終結したよね。一方、強さを求め続けたライバルも人間を辞めてまで手に入れた力をもってしても主人公の強さには敵わず、でもそれを受け入れ認め死んだと。そこにもう描くべきことは残ってない。とすれば残ってる1話で描かれるのは「その後」、つまりズタボロになった沢芽市の復興であり、そして紘汰が守った世界でこれからもずっと生きていくミッチの再生だと、それは解る。でもなんかスッキリしないの。
まず沢芽市の復興。これに関しては元ビートライダーズたちがチームの垣根を越えて(それぞれ相変わらずのユニフォーム姿ってことはチーム自体は継続してるということなのか、それとも本当は全員私服にしちゃいたいけどそうすると誰が誰だか判んなくなるからという演出都合なのかどっちだろ?・・・どっちでもいいけど)一緒に楽しく踊ってる。余計な要素でしかなかったダンスだけど、みんな一緒に踊ってるってだけでひと目で紘汰の守った世界がいまどんな感じなのかが判るから最後にしてようやっとダンス設定に意味を持たせられたし、でも元ビートライダーズたちは裕也・初瀬ちゃん・戒斗・舞・紘汰と大勢の仲間を失ったわけで、だからダンスの輪に入ろうとしないミッチに対する「簡単には割り切れないだろう?」というペコの言葉、これは視聴者感情としても共感できる『本音』だよね。だってミッチは被害者でも犠牲者でもないんだもん。己の知略に溺れ判断を誤った結果最終的には自分ではどうにもならない流れに呑みこまれ抗う術を持たなかったけど、でも判断したのはミッチ自身。騙されたわけでもなければ脅されたわけでもなく、明確な目的の元自分の意思で行動していた。それを償わずして赦されるってのは納得いかないというか、よろしくないよね。
ていうかもっと単純に「黙ってろよ、クズ」という仮面ライダー史上に残る台詞をぶつけられたうえに殺されかけたんだもん。それ謝るまでミッチと仲直りするのはちょっと・・・ってなペコの気持ちはよくわかる。だからここまでは良かったの。
じゃあミッチはどうすればいいのか、どうすればかつての仲間たちが抱く「割り切れない想い」を払拭することができるのか、なによりもミッチ自身が自分の罪を認め償い赦し前を向くことができるのか。それを描くために用意したのがコウガミなる「敵」って違わないか???。
今更ながら初瀬ちゃんの姿が見えない理由を貴虎に尋ね、初瀬ちゃんに何が起こったのかを知った城乃内が罪滅ぼしのために、初瀬ちゃんとの友情のために戦うってのはまぁいいや。ほんと今更でしかないし、そこまで言わせる(やらせる)なら雑魚インベスを倒させるぐらいすればいいのに結局ボコられただけで何もできなかったって、これで城乃内の気持ちがどうにかなんの??としか思わなかったけど、そこへ道が別れるキッカケとなったあのイメチェン紘汰を彷彿とさせる黒一色のワイルドスタイルになったミッチが現れた瞬間の「ミッチきたあああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!」感は凄まじかったんで、初瀬ちゃんのことを回収しつつ城乃内は前座としての働きをしっかりと果たしてくれたと思う。
でもミッチが戦って立ち直るって違わない?。戦って笑顔を取り戻すって違うでしょう??。
「確かに紘汰さんはヒーローだった。でももう紘汰さんはいない。だから僕達がヒーローにならなきゃいけないんだ」
紘汰さんがいないなら僕達が紘汰さんの代わりに、紘汰さんのぶんまでヒーローにならなきゃいけないとミッチが思えた理由、街でインベスに遭って素手で戦うも相手にならない→黒上下に着替えてドライバーとロックシード持って再出動って、この間ミッチの中で何があったのか、そこ描いてよおおおおお!(特に黒上下をセレクトした理由)。
そこ端折って戦うことで立ち直られてもわたしは納得いきません。だって紘汰さんが守った世界は戦う必要がない世界だよね?。そりゃ争いはあるだろうけど少なくともアーマードライダーという特別な「力」を持つ者だけが戦うような世の中ではなくなったはず。紘汰はそのために覚悟をキメ神になることを選んだわけでしょう?。それなのにミッチはドライバーを使い龍玄となって敵を倒すことで救われた。紘汰さんとともに戦いみんなを守ることができたことによって笑顔を取り戻した。・・・うーん・・・・・・それでいいの紘汰さん?ミッチが言う「ヒーロー」ってそういうことなの??。
ていうかさ、ミッチが立ち直ることに際し貴虎さんなんもしてないのよ。紘汰に「ミッチのことを頼む」と言われて戻ってきたのに相変わらず弟と距離ありまくりの兄ってどういうことよと。「最近どうだ?」じゃねーだろよ。相変わらず弟に対しては不器用な貴虎兄さん可愛い///とでも思えってか?・・・と思ったら女に愚痴ってるしよー(弟との距離は縮められないのに紘汰姉との関係は深めてる貴虎さんはそれはそれで萌えますが)(凰蓮が「メロンの君」が女連れであることにノー反応だったのはメロンの君の中身が好みじゃなかったからですよね?w)。弟を立ち直らせるために、弟の笑顔を取り戻すためになんにもしない(できない)んだったら貴虎兄さんなんのために戻ってきたんだっての。そりゃ兄を殺したのと殺してなかったのとじゃミッチが背負う罪の重さが全然違うし、それに伴い救済のためのハードルもだいぶ下がるだろうよ。でも「生きてました」ってだけじゃミッチの気持ちは軽くなっても貴虎兄さんの救いにはならないじゃん。ミッチを頼むと言われ自らも変身すべく目を覚ましたってのに口では罪滅ぼしといいつつもやってることは以前となんも変わってないじゃん。ミッチが立ち直るキッカケにならずしてどうする!。なんで兄さんの扱いが最後の最後までこんなんなんだよー!。
(貴虎兄さんは有事の際は自分ひとりで何とかしようと思って自分の手元にだけ黒影トルーパーの変身セット一式を残したんだろうけど、それよりはるかに高性能な龍玄のドライバーを弟が持ってることを知っていたのか否か・・・知らなかったんだとしたら兄さんの責任感と覚悟の立場が・・・・・・)
で、ミッチを立ち直らせるのは結局紘汰さんですかよと。落とした銃を前転しながら拾いまずは雑魚インベスを連射、さらにスライディングしつつコウガミを連射で怯ませ眉間に銃突き付けるところまでは最高かっこよかったし、少女の身体を人質にされ変身解除し踏みつけられ苦悶の表情を浮かべるのは最高滾りましたが、そこへ紘汰さんの声が聞こえたかと思ったら黄金林檎から金髪紘汰さん再びでズコったわ・・・。あれだけ感動的(?)な旅立ちをしたってのに、「やり残したことがあってな」ってそんな簡単に戻ってこれんのかよと・・・。
つーかミッチも変わり果てた紘汰さんの姿に驚けよと(笑)。
金髪舞さんの姿を見てることを差し引いてもあのタイミングであの姿の紘汰さんが現れたことに全く驚かないからミッチとともに戦う紘汰さんはミッチの幻影だと思ってたのね。ミッチは紘汰さんと一緒に戦ってるつもりだけど、それはミッチがそのつもりでいただけで実際にはミッチ一人の力で戦って勝ったってなことなんだと思ってたのよ。でもこれマジで紘汰さんは普通に戻ってきてチート装備で戦った・・・ってことなんだよね・・・?。「紘汰さんはもういないから僕達がヒーローにならなきゃいけないんだ」と言わせておいてそれってどうなん・・・・・・・・・?。
これ、“こんなこともあろうかと”って爆弾やらなにやら作ってた凰蓮以下元ビートライダーズたちが援護する中龍玄ミッチと城乃内からドライバー取り戻した貴虎黒影トルーパーで勝利するってんじゃ駄目だったかなぁ?。やっぱり戦いによって救われるのは違うと思うんだけど、でもせめてそういうことであればミッチが再び「仲間」と笑いあえるラストももうちょい納得いくものになったと思うんだけどなぁ。ミッチのこの戦いをペコ(たち)に見せなきゃダメだと思うの。ミッチが変わるとともにそんなミッチを受け入れる側の気持ちだってあるでしょ?。ザックたちがミッチを受け入れたからといって「簡単には割り切れない」と言ったペコもそうだとは限らない。だからこそペコとミッチが力を合わせて戦うべきだったと思うし、光実と貴虎二人で敵を倒すことによって光実のみならずいろんな想いを抱え戻ってきた貴虎の救済にもなったと思う。紘汰がいなくなった沢芽市を紘汰の仲間たちが守ってこその「俺達がヒーローにならなきゃいけない」じゃないかなーと。そんで御神木という存在になって沢芽市を見守ることになった戒斗とともにそんな仲間たちを見て微笑む紘汰&舞でいいじゃないかと。
って、戒斗さんがまさか御神木として復活するとは思わなかったわー(笑)。しかも突如あの場所に出現した(んだよね?)とか、まるでトトロじゃないですか!(笑)。
ダンスのステージ争いから始まった物語が、最終的に主人公が神となりライバルが鎮守の森の御神木の精霊になるだなんて、まさに予想だにしなかった展開ですよね。これ仮面ライダーなんだよなー(ぼんやり)。
あとこんな最終回(の内容)になった理由というか原因の一つはミッチの舞さんへの過剰な所有欲であり執着心なのに、後日譚のミッチの口から一度も「舞さん」という言葉が発せられなかったのもビックリですw。結局ミッチにとっては紘汰さん>>>舞さんだったということなのか、それとも肉体を持たない舞さんにはほんとの本気で興味がないからなのかどっちよミッチ!?w。
そして戒斗に別れを告げる舞さんはやっぱり紘汰よりも戒斗のほうに女としての感情を抱いてるように見えたよね。好きなのは戒斗だけどでも紘汰と一緒に生きていくことを選びました的な。
ここもまた精霊になった戒斗と舞のお別れシーン(※イメージ映像です)ってことかと思いきや舞の後ろで紘汰が旦那ヅラして立っててさぁ、お前「姉ちゃんに元気でやってるって伝えてくれ」っつってミッチの前から消えたくせにまた来てんのかよとw。だったら姉ちゃんのとこ行ったれよとw。それを言うなら前回サガラの前で騎士立ちして覚悟キメて手に手をとりあってどっかの星に行ったはずなのになんでまた旅立ちっぽい空気醸し出してんだってのなw。これ、一旦目的の星に行ったものの舞さんがどうも乗り気じゃなくてw、話聞いてみたら戒斗のことがどうしても気になる忘れられないってんで「ちゃんと別れる」って約束してもう一度だけ戒斗に会いに来た舞さんとそれにくっついてきた紘汰の図だと理解したんだけどw。そんでラストカットの紘汰と舞の星が地球のように青く変わったってのは戒斗とちゃんと別れたことで舞さんがその気になったと言う暗喩なんですねとw。仮面ライダーの最終回だってのにわたしなに考えてんだってのなw。


まぁそんな感じの最終回でした。わたし結構最終回で泣いたりするんでw、こんなにも醒めた気持ちで最終回を迎え下種目線で見終わるとか初めての経験すぎて戸惑い中ですw。開始前はわりと期待してたんだけどなぁ・・・。
作品についてはもうこれ以上書き残しておくべきこともないんであとはキャストについての熱い想いの丈をぶちまけるだけなんですが、それはファイナルライブの感想でいいかなー。高杉くんの泣き顔見ちゃったりしたらわたし頭がい骨割れて脳ミソ吹きだすと思うし(笑)。