『ペテロの葬列』最終話

パパのことを聞く娘に「これからはママがパパよ」と言う菜穂子ですが、同じようなことを家族狩りで水野美紀が言ってたのとえっらい違いで笑っちゃったわ。 “自立したい”“一人でも生きていける人間になりたい”的なことを言ってたように聞こえたんだけど(なんかもうあまりにも言い訳がましい&腹立たしすぎて耳を素通りすんのよね)、それで「犬飼おっか?」ってこいつなんもわかってねえ。
ってなわけで大まかな流れとしてはほぼほぼ原作通りの終わり方ではありましたが、肝心の足立の存在がないんですけど!???。
足立に冷凍ミカンを買ってもらい、足立と北見親子に見送られ旅立つ杉村のシーンがないならなんで足立のエピソード入れたよ?って話じゃん?。
展開上、杉村が娘の発表会よりも優先する“用事”が必要だった。でもこのドラマにおいてはそれが足立の事件である必要はなかったよね。こういう終わり方にするのならばむしろ間野絡みでよかったんじゃない?。
原作では菜穂子と橋本さんの不倫は杉村同様に読者目線としてもまさに青天の霹靂だったんだけど、ドラマでは最初からそれを匂わせていて、でも原作の衝撃台詞である「橋本さんと何度も何度も寝た。楽しかった」という台詞を言わせなかったってことはもしかしたら靴ずれしてたあの夜一度だけのことだったのか?・・・と思ったんだけど、でも「最初は打算があったけど足元をすくわれました」という橋本さんの台詞は「会長の娘をモノにすれば出世に有利だと思ったけどバレて会社を辞める羽目になりました」という意味の裏に「打算から始まった気持ちが本気になってしまいました」って意味を含んでるんだよね(でもこれ嘘だよね。打算という言葉で菜穂子の罪悪感を少しでも軽くしてあげようとしたのだろう)。だからまぁ・・・一回だけのことではなかったのだろうと。回数の問題じゃないけどさ、でもたった一回の代償が杉村は文字通り全てを失い橋本さんも一流会社のエリート職を失うってのはキツすぎるじゃん。ていうか男二人がそれだけの代償払ってんのに一番悪い菜穂子は「(パパの代わりに)犬飼おっか?」だなんて腹立たしいなんてもんじゃないもの。会長の娘という立場で社員の男を誘ったお前と上司であり男である杉村が部下との関係を「踏みとどまったのね」って同列に語ってんじゃねーってのな。
でもまぁ期待汁ダラダラで待ち伏せしてた間野に一瞥もくれず立ち去る杉村にスッとしたし、会社を辞めた橋本さんがスッキリした顔をしてたのでホッとしたというかなんというか、一生くん好き(笑)。
原作でも良かったけど、ドラマでもマスターが本名を告げてこれからもよろしくって言ってくれたシーンは良かったなぁ。続編があるならば杉村探偵編になるのでしょうが、杉村の側にマスターがいてくれるというだけで安心感があるというか、杉村は独りじゃないんだって思えるもの。