平野 啓一郎『透明な迷宮』

透明な迷宮

透明な迷宮

「火色の琥珀」という作品が、今の私には妙に刺さったのですが、
中でもこの一文

人は自分自身に対して、きっと適度に無関心であるべきなのでしょう。さもなくば、誰に何を言われても、聞く耳を持てなくなってしまいます。一体誰が、私ほど私自身のことを根気強く、時間をかけて考えてきただろうか、と。

ここを何度も読み返してしまった。
物語に於いて特に重要というわけではなく前置きのような意味合いでの一文なのですが、心に留めておきたい、いや、留めておかねばならない一文だわ。